ため息が出るほど精巧で美しい手作りのミニだんじりが大反響! 薄っぺらい木の板からどうやって作っているのか 「15台目」を制作中の作者に聞いた

渡辺 陽 渡辺 陽

「材料はほぼほぼこれから始めます。」とXに投稿された画像には、薄っぺらく小さな木の板のようなものが写っていた。投稿したのは織広堂@岸和田型ミニだんじり製作さん(@orihirodo)。いったい何を作るのだろう。

実は、織広堂@岸和田型ミニだんじり製作さんは1/20のスケールで岸和田のだんじりを再現している。「だんじりは彫刻も姿形も本当に芸術的で魅力的なのです!その魅力が少しでも広まればと切に願います」

大きくゴツゴツした手から作り出されたとは思えない、繊細な彫刻が施されたミニだんじりに、

「うわ!視力3.0の、世界だにゃん」

「再現度が素晴らしい。並松町(のだんじり)が好きです」

「細部まで作り込まれた技術には脱帽しかありません」

「国宝です」

という感動のリプライが相次ぎ、「いいね」は2.9万件にもなった。

織広堂@岸和田型ミニだんじり製作さんのだんじり祭りへの思いを聞いた。

ーーなぜミニチュアを作ろうと思われたのですか。

「岸和田で生まれ育った私は小さい頃からだんじりが好きで、子どもの頃から簡単なミニだんじりを作って遊んでいました。いつか完全に再現したミニだんじりを何台も並べて遊んでみたいと思い、その思いが尽きることなく現在まで続いています」

ーー町ごとに彫り物が違うのでしょうか。

「彫り物は、例えば武田信玄と上杉謙信の一騎討ちの場面、『川中島の合戦』のように、平安~戦国時代の合戦などを題材にしたものや、『天の岩戸開き』など神話を題材にしたものなど多岐に渡っています。たとえ題材が同じでも場面が違っていますし、彫刻師も違えば作風も変わります。その中には『名だんじり』と呼ばれるだんじりも数台あり、それは非常に見応えがあるだんじりとなっています」

ーー何種類くらい作られたのでしょうか。

「今まで14作品製作しました。現在15台目を製作中です」

ーー1/20スケールに作るのは難しくありませんか。

「高さ約4mの1/20スケールとなりますので、高さは20cm程度になります。ミニチュアを作る場合、そのまま縮尺してしまうとバランスがイメージと離れてしまうので、なるべく見た目のイメージに近付くように寸法を少しアレンジしています。そのアレンジ加減が一番難しいです」

ーー岸和田のだんじり祭りの魅力について教えてください。

「何と言っても『やりまわし』と呼ばれる、勢いよく交差点を直角に駆け抜けるところに迫力があります。いかに速くきれいに曲がるか、納得のいくやりまわしを決めるのは想像以上に難しく、全員がそれをストイックなまでに追求しています。やりまわしをする前には一旦停止するのですが、その時の緊張感、集中力、そしてその真剣な眼差し、それがやりまわしのあと一気に解放され駆け抜ける。その瞬間にこそ魅力が詰まっていると私は思います」

飾るだけでなく、大人が遊べる高級なおもちゃ「だんじり版プレミアムバンダイのようなもの」を作りたかったという織広堂@岸和田型ミニだんじり製作さん。贅沢な遊びですね。

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