北乃きい、森崎ウィンら出演のオール福井県ロケ映画『おしょりん』完成 福井愛に包まれた地元での舞台挨拶潜入ルポ

宮本 裕也 宮本 裕也

日本のメガネの生産量95%を誇る福井県を舞台に、メガネの普及・発展に人生を捧げた人々の姿を描いた映画『おしょりん』。11月3日の全国公開に先駆け、主演の北乃きいさん、森崎ウィンさん、小泉孝太郎さん、児玉宜久監督による舞台挨拶付き先行上映が福井県の鯖江アレックスシネマで行われた。

本作は藤岡陽子さんの原作小説を基に、同じく福井県を舞台にした『えちてつ~わたし、故郷に帰ってきました。~』(2018年)の児玉監督が完成させた。全編、福井県内でロケで行われた、福井の魅力を最大限活かした映画だ。作品冒頭には、福井県の今が分かる「福井県ニュース」が流れるという徹底ぶり。タイトルの「おしょりん」は、福井の言葉で“田畑を覆う雪が硬く凍った状態”を指している。

満席となった初日。主人公の増永むめ役を演じた北乃さんは

「福井の方々は真面目。そこが好き。この現場の雰囲気だけで物語が作れると思います」

と語り、増永幸八役の森崎さんは

「僕はミャンマー出身ということもあり、福井県がどのような場所か全くイメージできませんでしたが、撮影の合間に地元の漁師の方と交流でき、またファミリーとして歓迎してくださったので素敵な時間を過ごすことができました」

と語った。

増永五左衛門役の小泉さんは、本作への依頼が来た時、「五左衛門の人生に怯んだ」といい、「神奈川県民の私が、五左衛門のような福井県の偉大な人物を演じて良いのかと。でも地元スタッフの皆さんの応援もあり、決心できました。福井県の応援があったからこそ、役を演じることができた」と感謝した。

児玉監督は「本作は福井五部作の第二部に当たります。勝手に五部作作ると考えてます。でもこの作品で良い物ができてしまった。それほど自信があります」と胸を張った。

話題はキャスト同士の「距離感」に変わり、北乃さんは「小泉さんは緊張する。正直、今も緊張しています。実直な五左衛門さんそのものに思えた」と言い、小泉さんは「北乃さんは同じ横須賀出身。良い意味で緊張が伝わっていれば嬉しい」と語った。

毎日のケータリングも福井一色

オール福井ロケ作品となった本作。

北乃さんは「普段、ケータリングはお弁当が多いんです。でも今回は福井の名産品がたくさんでした。ボルガライスも出たよね」と話すと、森崎さんは「俺いないよ、食べてない」と発言し、会場を沸かせた。小泉さんは「福井はお菓子も美味い。差し入れでもらった五月ヶ瀬、羽二重餅。いくつ食べたか分からない。本当に美味しかった」と銘菓への想いも語った。

撮影現場では方言も飛び交っており、福井県で寒いという時の「ちびて」は全員覚えているそう。「元気ですか」の方言「かたいけど」を、北乃さんが「かたじけない」という意味でしたかねと答え、全員から総ツッコミを受けていた。

2024年3月には、北陸新幹線が福井県まで延伸される。監督は「これから観光客も増えてくる」と述べ、「福井の“映える”ところで撮影できました。福井県外の人には福井の魅力に気づいていただき、県内の人にはこんな良い所があったんだと再発見して欲しい」と締めくくった。

『おしょりん』は福井先行公開中。11月3日(金・祝)より角川シネマ有楽町ほかにて全国公開。

©︎『おしょりん』制作委員会

配給:KADOKAWA

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