スズキ ハスラーは、軽自動車とSUVのクロスオーバー車として、絶大な人気を誇る。2WD(前輪駆動)か4WD(4輪駆動)が用意されているが、どちらを選択すればいいか悩む人も多いだろう。スズキ ハスラーの魅力を紹介するとともに、2WDと4WDの装備や走りの違い、お勧めグレードについて徹底比較したい。
ハスラー2WDと4WDの違いを徹底比較
ハスラーの2WDと4WDの違いについて現行モデルについて解説をする。
ハスラーは2020年1月にフルモデルチェンジされ、現行モデルは2代目にあたる。ボディサイズなど、車両スペックを比較する。
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【2WD】
ボディサイズ:全長3,395×全幅1,475×全高1,680mm
最低地上高:180mm
ホイールベース:2,460mm
室内寸法:長さ2,215×幅1,330×高さ1,270mm
トレッド前/後:1,285 mm /1,300 mm
スタビライザー:あり(前後:トーションバー)
【4WD】
ボディサイズ:全長3,395×全幅1,475×全高1,680mm
最低地上高:180mm
ホイールベース:2,460mm
室内寸法:長さ2,215×幅1,330×高さ1,270mm
トレッド前/後:1,290mm
スタビライザー:なし
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▽大きな違いはスタビライザーの有り無し
ハスラーの2WD車と4WD車の大きな違いは、スタビライザーの有り無しである。4WD車には、後輪側のスタビライザーが装備されていない。4WD車を選ぶユーザーは、凸凹のある荒れた雪道や悪路を走ることが多く、スタビライザーを外した方が、乗り心地などが良くなる傾向がある。
スタビライザーは、サスペンションのスムースな動きを抑制する傾向がある。車体の傾きを抑え安定させる役割を持っているため、2WDであれば後輪側にも装備すべきだ。
だが4WDに限りスタビライザーは無いほうが良いだろう。
▽内外装の相違点
2WD車と4WD車で内外装デザインに大きな違いはない。
強いて言えば、2WD車にはインパネセンターポケットがあるが、4WD車には無い。4WD車には、ヒルディセントコントロールやグリップコントロールなどのスイッチが入るからだ。
▽機能の相違点
2代目ハスラーの4WDシステムは、スタンバイ方式だ。
スタンバイ方式の4WDは、滑ってから4WDになるため、本格的な悪路には対応できない。前後輪の回転差(滑っている状態)が生じると4WDになる低コストの4WDシステムを使っているからだ。
しかし、日常生活で走る悪路では、十分な効果が得られるため、コンパクトカーや軽自動車など、比較的安価な価格帯のクルマに使われている。
こうした純粋な4WD機能を低コストで、走破性をよりアップさせる機能が3つ存在する。
1つ目が「グリップコントロール」だ。
グリップコントロールとは、横滑り防止装置であるESPの機能を使った電子制御システムだ。ぬかるみなどの滑りやすい路面で片輪が空転した場合、空転している車輪にブレーキをかけ、駆動力のある車輪を集中的に動かし、悪路での発進をサポートする。
2つ目が「スノーモード」だ。
スノーモードは2代目ハスラーの4WDから新たに採用された。スノーモードとは、雪道やアイスバーンでタイヤの空転を抑え、スムースに発進できるようにする機能である。
通常、滑りやすい路面でラフなアクセル操作を行うと、すぐにタイヤが空転し、穴を掘ってしまい、自ら脱出不可能としてしまうケースが多い。しかし、スノーモードは、ESPでタイヤの滑りを検知し、過大なエンジントルクを抑制する。そのため、滑りやすい路面でもスムースな走行を可能としている。
3つ目は「ヒルディセントコントロール」だ。
ヒルディセントコントロールとは、ESP機能を使い4輪それぞれに微妙なブレーキコントロールを行い、車速を約7km/hに自動でコントロールし下り坂を降りる機能である。
通常、滑りやすい急な下り坂でブレーキをかけると、タイヤがロックして滑り落ちてしまうことがある。ヒルディセントコントロールがあると、ドライバーは、ステアリング操作に集中することができるので安心・安全だ。