市川團十郎の長女・堀越麗禾さん、小学6年でハリウッド大作の吹替担当 父からの教え胸に「色々なことに挑戦していきたい」

黒川 裕生 黒川 裕生

近未来の世界を舞台に、人類と AI(人工知能)の戦いを描いたSFアクション映画「ザ・クリエイター/創造者」(10月20日(金)公開)で、物語の鍵を握る超進化型AI少女アルフィー(マデリン・ユナ・ヴォイルズ)の日本語吹替を担当した堀越麗禾(れいか)さんは、現在小学6年生。「すごい映画に関わることができてとても嬉しいです」と声を弾ませる麗禾さんに、本作の魅力や父で歌舞伎俳優の市川團十郎白猿さんとの関係などについて聞いた。

麗禾さんは2011年7月生まれ。四代目市川ぼたんとして父や弟と舞台に立つ一方、テレビドラマ「二月の勝者-絶対合格の教室-」(2021年)に出演したり、 アニメーション映画「DC がんばれ!スーパーペット」(2022年)の声優を担当したりと、活躍の場を広げている。

「ザ・クリエイター/創造者」は、人類に反旗を翻したAIとの戦争を通じて、人間とAIの“未来像”を示す超大作。監督は「ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー」などで知られるギャレス・エドワーズさんで、主演は「TENET テネット」のジョン・デヴィッド・ワシントンさん。日本からは渡辺謙さんも重要な役で出演している。深いテーマ性や視覚効果を駆使したスペクタクル映像の迫力もさることながら、主人公ジョシュアとAIアルフィーとの間に生まれる擬似親子的な絆も大きな見どころだ。

—映画、どうでしたか?

「とても迫力があって、すごかったです。こんな未来が来てしまうのかも…と思うとちょっと怖いですけど。私が声を当てさせていただいたアルフィーは、物語の最初と最後ですごく大きく変化していくのですが、ジョシュアと少しずつ関係を深めていくところも温かくて魅力的でした。一言で言うと、やっぱり『すごい映画だな』という感じです(笑)」

—実写の吹替は初めてですが、どのような思いで臨みましたか?

「実写版は人が“演じ終わった”後で自分の声を入れていくので、『この人はどう考えて、どう演じていたのだろう』と私なりにたくさんたくさん想像しながら、一生懸命やりました。アニメーションのキャラクターに声を入れた時は、『かわいくしよう』『こんな感じかな?』とワクワクしながらできたので、全然違う経験だったと思います」

「アルフィーは最初はまともに喋らず、人とコミュニケーションも取れません。それが徐々に話せるようになっていき、ジョシュアとの関係も変わっていきます。喋らないところは表情の変化で、喋るところは発する言葉で、心を揺さぶられました。それを私の声でどう表現するか…感情の乗せ方がとても難しかったです」

—アルフィーに共感するような部分はありましたか?

「共感は…あまりない(笑)。でも、ジョシュアと心が通じ合い、アルフィーが自分の感情をさらけ出すところがすごくて、驚かされました。AIにも感情があるかもしれないと考えさせられる描写で、私自身もAIに対する興味が湧いてきました」

—今回はSFでしたが、普段はどんな映画が好きですか?

「『スター・ウォーズ』が好きで結構見ています。父と弟も大好きなので、家で一緒に見たりもしました」

—お父さんはこの仕事をすごく喜んでくれたそうですね。

「はい。オーディションに合格したことを知らせたら、『おめでとう』ってたくさん言ってくれました。演じることについて、父からはよく『その役のことをよく観察して、しっかり読み取るといいよ』と言われています。今回もそのアドバイスを胸に、頑張りました」

—今後はどんな仕事をしていきたいですか?

「色々なことに挑戦して、やりたいことや好きなこと、自分に合っていることを見つけていきたいと思います。今回の声優のお仕事はたくさんの緊張とワクワクを味わうことができましたし、2年前にはドラマに出演させていただいたのですが、周りの人がみんな優しくて、すごく楽しかったのを覚えています。まだ自分が何に向いているかはハッキリとはわかりませんが、今はとにかく色々な経験を積みたいという思いが強いです」

大きな目をくるくる動かしながら、言葉をひとつひとつ丁寧に選んで質問に答えてくれた麗禾さん。写真撮影中の雑談で、スタッフから「おにぎりを用意しているんですが、何味がいいですか?」「栗や明太子もありますよ」と聞かれ、「何でも好きです。塩、おかか、梅、どれでも好きです」「栗は弟が大好きです」と笑顔を見せるなど、周囲や弟の勸玄君への気配りを忘れない姿も大変印象的だった。

「ザ・クリエイター/創造者」は10月20日(金)、全国公開。

まいどなの求人情報

求人情報一覧へ

おすすめニュース

気になるキーワード

新着ニュース