撮り鉄が阪急電車の線路に不法侵入した動画が波紋を呼んでいます。撮り鉄たちは阪急電車が通り過ぎるや、線路脇から次々に飛び出し、線路上でカメラを構えて走り去る車両を撮り続けました。
堂々と危険な撮影を行う撮り鉄集団に「無法地帯」「しょっ引かれたらいいのに」「こんなの鉄道ファンじゃない」と怒りの声が上がりました。安全な踏切前から動画を撮影した やおよろずの趣味(@VK45_01P)さんと阪急電鉄に聞きました。
阪急電鉄によると、危険な撮影行為が行われたのは10月2日未明、阪急電鉄京都線摂津市駅そばの踏切付近で、撮り鉄たちが狙っていたのは回送電車の最後尾に連結していた「救援車」でした。車両が脱線した際に復旧するための資機材を積んでおり、異常事態が起きた時しか出動しないため、撮影機会が少ないレアな車両でした。
今回の救援車の運行日時について、阪急電鉄は公表していませんでしたが、どこからか情報を得た撮り鉄が集まりました。
撮り鉄の様子をやおよろずさんに聞きました。
ーーレアな車両を狙っていた?
「私も含め、撮影者の目当ては一番後ろの車両である『救援車』でした。救援車は普段、車庫にいるのですが、このたび廃車となり、解体場がある別の車庫まで回送される途中でした。救援車が車庫以外の場所で走ることは大変珍しく、とにかく最後尾の車両を撮ろうと皆必死になっていました。救援車が通過する直前に人が増えたので正確には分かりませんが、30人以上いたのかもしれません。そのうち10人程度が線路内に立ち入って撮影しました」
ーー線路に立ち入ったのは若い人に見えます。
「撮り鉄の年齢層は広く、おじさんぐらいの方もある程度いましたが、映像の通り、危険な行動をした人たちは若い人に偏っていました。一方、ルールを守って撮影する若い人もたくさんいらっしゃいました」
「線路に飛び出した人は、前に割り込まれたくなくて我先に線路内に侵入したんだと思います」
ーー危険な撮影をする人に伝えたいことはありますか。
「鉄道がいかに安全に気を遣って運行されているか、鉄道が好きならばよく知っているはずです。自分の撮影のために、鉄道会社に迷惑をかけるような危険行為は絶対にしないでほしいです」
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やおよろずさんの動画には「撮り鉄の秩序のなさヤバイ」「ルール守って撮影してる人に謝って」とマナー向上を求める声が上がりました。
阪急電鉄は今回の撮り鉄の線路侵入について「危険な行為なのでやめていただきたい」としています。