シニアの3人に1人、60歳以降に求職活動の経験あり 「収入を得る必要がある」「健康を維持したい」

まいどなニュース情報部 まいどなニュース情報部

求人検索エンジン『Indeed(インディード)』の日本法人であるIndeed Japan株式会社(東京都港区)は、このほど「シニア世代の求職活動実態調査」の結果を発表しました。同調査によると、3割強の人が「60歳以降に求職活動を行ったことがある」と回答しました。また、求職活動を行う理由については、約半数の人が「経済的な理由で収入を得る必要があるから」と回答したそうです。

調査は、60~80代の男女3万198人を対象として、2023年8月にインターネットで実施されました。

調査によると、「60歳以降に求職活動を行ったことがある」と答えた人は35.9%。さらに、「求職活動を行ったことがある」と答えた7534人(※1)に対して、「求職活動を行う最大の理由」を教えてもらったところ、「経済的な理由で収入を得る必要があるから」(48.5%)、「健康を維持/促進したいから」(17.3%)、「やりがい/生きがいを感じたいから」「社会との接点を持ちたいから」(いずれも15.1%)などが上位に挙げられました。

(※1)60歳以降に求職活動を行ったことのある人のうち、「知人からの新しい仕事・企業の紹介」や「それまでの在職企業での再雇用・関連会社への出向」のみの経験者を除いた人

また、「経済的な理由」で求職活動を行った経験がある1579人のうち、27.0%の人が「採用されたことがない」と回答。一方で、73.0%の人は採用された経験があることから、60歳以降の求職活動は決して無謀な挑戦ではなく、十分に採用される可能性があることがうかがえます。

なお、「平均応募社数」については、「採用された経験のある人」(1152人)の場合で「2.53社」、「採用された経験のない人」(427人)の場合は「2.47社」とほぼ差がないことが分かりました。

次に、採用された経験のある1152人に対して、「求職活動中に妥協した/ゆずった条件はありますか」と聞いたところ、84.8%の人が「ある」と回答。「妥協した/ゆずった条件」を複数回答で答えてもらったところ、「給与」(45.6%)が圧倒的に多くなりました。

さらに、求職時に仕事の求める条件を緩和して採用された977人のうち、「仕事に満足している」人は72.7%、「入社後活躍できている(と実感している)」人は64.6%、「仕事にやりがいがある」人は62.5%となり、条件を緩和した場合であっても、ポジティブに働いている人が多いことがうかがえます。

ちなみに、採用された経験のある1152人に「採用に至ったと思う理由」を複数回答で教えてもらったところ、「希望の待遇にこだわりすぎず、妥協できる範囲を広げたこと」(32.2%)、「希望の仕事内容にこだわりすぎず、選択肢を広げたこと」(30.0%)、「自身の強みや専門知識、経験を理解し、うまく伝えることができたこと」(25.9%)といった回答が上位に並びました。

一方、採用された経験がない427人に対して、「採用に至っていない理由」を教えてもらったところ、「特になし/わからない」(51.0%)、「希望の仕事内容にこだわっているから」「応募した企業が少ないから」(いずれも14.6%)、「自分の持つスキルや経験が足りないから」(14.4%)などが上位に挙げられています。

なお、「自身の年齢を理由に公平に選考されていない」と感じたことがある781人に、「年齢が選考の妨げになった理由」を複数回答可で聞いたところ、「体力に不安があると思われた」(41.7%)、「健康に不安があると思われた」(26.8%)、「長期間勤務できないと思われた」(26.3%)、「扱いづらいと思われた」(23.7%)、「新しいことは覚えられないと思われた」(23.4%)などが挙げられたそうです。

   ◇  ◇

なお、同調査では、同検索エンジンにおいて、2018年7月〜2023年7月の期間に全仕事検索に対する「60歳/60代」「70歳/70代」のキーワードを含む仕事検索状況についても調査を実施しています。

その結果、「60歳/60代」「70歳/70代」に関連するキーワードを用いた仕事検索の推移をみると、「60歳/60代」の仕事検索数は5年間で4.0倍、「70歳/70代」の仕事検索数は5年間で14.7倍に増加しており、シニア世代の就業意向が高まっている様子がうかがえます。

一方、「60歳以上を積極的に募集している求人割合」については、過去5年間で求人割合の増減はあったものの、第一次緊急事態宣言と第二次緊急事態宣言の間に位置し、パンデミックがだんだん深刻に感じられるようになった2020年8月をピークに以降は右肩下がりの傾向が続いており、求職者ニーズとのギャップがあることがうかがえました。

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