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賃上げ求めるパート従業員 店長のトンデモ言い訳に怒り倍増! ブラック職場の実態は作者の実体験 →「うちの会社でもある」「掃除は勤務時間外」【漫画】

海川 まこと 海川 まこと

仕事がまだ終わっていないにもかかわらず、先にタイムカードを押すよう求められる...そんな“ブラックな職場”は、残念ながら今も存在しているようです。漫画家・クマさんが描く『え?』と『困ったお客様、別のお客様に諭される』は、ブラックな労働環境や客対応をテーマにした作品です。

物語の舞台は、「ブラックマート」と名付けられたスーパーマーケット。主人公・安田を含む数人のスタッフが働く中、店長が現れ「皆さん、もうあがる時間なのでタイムカードを押してください」と声をかけます。

しかし、店内ではまだ仕事が山積みの状態です。少なくともあと1時間はかかりそうだと伝えると、店長は「タイムカードだけ押しておいてくれたらいいですよ。仕事は終わらせてから帰ってください」と当たり前のように返答します。その言葉に、スタッフたちはショックを受けるのでした。

スーパーの仕事は決して楽なものではありません。それにもかかわらず、時給は830円という現実に、安田は意を決して賃上げ交渉に臨みます。

安田は「隣のスーパーは1060円だ」と訴えますが、店長は「不況で厳しいんですよ」「うちはパートも社員も家族だと思ってます」と静かに返答します。さらに「苦しい時に、家族からお金を取ったりしませんよね?」と笑顔で語るのです。その言葉に、安田は「赤の他人だ」と怒りをあらわにするのでした。

読者からは、「労働基準監督署に相談するべき」「若い頃に勤めていた職場がまさにこれだった」といった共感と怒りの声が多数寄せられています。

同じくブラックマートを舞台にした別作品『困ったお客様、別のお客様に諭される』では、ブラックな“客”の存在が描かれます。

安田がお菓子の補充をしていると、勢いよく走ってきた子供にぶつかられてしまいます。しかし母親らしき女性はスマートフォンを見ながら、「マー君、静かにしなきゃダメよ」「騒ぐとお店の人に怒られるよ」と声をかけるだけです。安田は思わず「いや、あなたが注意すべきでは?」と呆れてしまいます。

そのとき、ブラックな環境で疲れ切った人に取り憑く小さな熊「ブラックマ」が現れます。ブラックマの“魔法”がかかったかのように、走り回っていた子どもは、今度は怖そうな男性客にぶつかってしまいます。男性客が「走り回るな」「あんた親か?しっかり見てろ」と親子を叱責するのを見て、安田は胸のつかえが少し下りたような気持ちになるのでした。

両作品について作者のクマさんに話を聞きました。

わたしが学生の時にバイトをしていた先がこうでした(笑)

―同作を描こうと思われたきっかけがあれば教えてください。

わたしが学生の時にバイトをしていた先がこうでした(笑)

もう数十年前の話で、当時はそう珍しいことでもないだろうと、とくに描く予定はなかったんですが、今でもあると知り驚いてマンガにしました。

ー作中では「私たちは家族だから」といった言葉で、従業員の声が聞き入れられない職場の姿も描かれています。制作にあたって、実体験や取材などをもとにされた部分はありますでしょうか。

これはわたしの経験ではなく「歴史」をもとにしました。「従業員を家族のように扱う」というのは今では「ブラック企業の特徴」と言われることがありますが、かつては日本社会の在り方でした。高度経済成長期、会社は人材を永く確保するために社員に定年までの雇用を約束し、社員はそのみかえりに会社につくす。わたしたちの親や祖父母の時代です。こういう時代があったんだよという名残ですね。

―同作のコメント欄に寄せられた声で、特に印象に残っているものがありますか。

「掃除は勤務時間外にやれと命じられる」「タイムカードを勝手に切られる」「上場企業でもある」といった声ですね。マンガを描いた時は「今の時代、こういうケースは少数ではないだろうか?」と思っていましたが、現在進行形でこんなにあることにおどろきました。

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