墓地で鳴いていた子猫
宙(そら)くん(7歳・オス)は、2016年5月20日、墓地で鳴いていた。大阪府在住のMさんは、家の裏手にその墓地があったので、鳴き声が気になって時々見に行った。
「探しに行くと鳴き止んでしまい姿は見えず。鳴き声は一晩中続いていました。朝になっても聞こえていたのですが、昼近くにピタッと止みました。気になって、窓を開けてのぞくと、土留めの上のコンクリートにぐったり横になっているではありませんか!カラスに獲られては大変!と、急いで保護しに向かいました。抱き上げると弱々しくニャ~と鳴きました」
宙くんは手の平サイズの小さな子猫だった。怪我もしておらず、Mさんは安心した。
先住犬を困らせるいたずらっ子
当時、Mさん宅にはラブラドールレトリバー2匹とヨークシャテリアが1匹いた。猫との同居は大丈夫か心配だったが、宙くんを犬たちと対面させたところ、犬たちは問題なく優しく受け入れてくれたので、そのまま飼うことにしたという。
Mさんは、宙くんが弱っていたのですぐに動物病院に連れて行った。生後1ヶ月くらいだった。体にはノミが沢山付いていて、軽い猫風邪にかかっていた。お腹が空いていたのか、家に連れて帰って子猫用のウェットフードをあげると、すごい勢いで食べたという。
「お目目がとても綺麗なブルーやったので、空の青を連想して宙(そら)と名付けました」
宙くんは優しくて甘えん坊。イラちで神経質な面もある。ヨークシャテリアの散歩に行くために付けたリードにジャレてくわえて引っ張るし、ラブラドールのケージに我が物顔で入ってわんこを困らせる。
「わんこは困り顔の時もありますが、宙を迎えて嫌なことがあっても癒やさるので心が穏やかになりました」