連日続く過酷な暑さは、社会人の働き方ややる気にどのように影響しているのでしょうか。株式会社ライボ(東京都渋谷区)の調査機関『Job総研』が全国の20~50代の社会人男女743人を対象に「2023年 夏の働き方実態調査」を実施したところ、「夏の暑さでやる気減少」と回答した人が約9割に上ることが分かりました。また、夏の理想の働き方については、「テレワークで働きたい」が最多となったのに対し、現実の働き方は「出社」が7割近くとなりました。
調査は、同社が運営するキャリアや就職・転職に特化した匿名相談サービス『JobQ』の登録者を対象として、2023年7月にインターネットで実施されました。
調査の結果、88.8%の人が「夏の暑さは仕事のやる気減少に影響する」(とても影響する:37.4%・影響する:30.3%・どちらかといえば影響する:21.1%)と回答。さらに、「夏バテを起こし仕事に影響した経験」について聞いたところ、51.8%の人が「仕事に影響した経験がある」と答えています。
そこで、「夏バテの予防」について聞いたところ、72.8%の人が「夏バテ予防をしている」と回答。具体的な対策を複数回答で教えてもらったところ、「こまめに水分を補給する」(64.5%)、「睡眠をしっかりとる」(62.0%)、「生活リズムを整える」(56.0%)などが上位に挙げられました。
次に、「仕事のやる気が最も低下する季節」を聞いたところ、ダントツで「夏」(46.1%)が最多に。ほか、「冬」(18.6%)、「春」(8.6%)、「秋」(4.8%)と続き、「特にない」(21.9%)と答えた人は約2割でした。
また、「夏にやる気が低下する」と答えた342人に、その理由を複数回答で答えてもらったところ、9割近くが「気温が上がるから」(88.6%)と答えています。
反対に、「仕事のやる気が最も低下する季節」では、「秋」(30.7%)、「春」(28.9%)、「冬」(8.6%)、「夏」(7.8%)という結果になり、「特にない」(24.0%)と答えた人は、こちらも約2割となっています。
「秋にやる気が向上する」と答えた228人に、その理由を教えてもらったところ、「気温が下がるから」(64.9%)が最多となったほか、「期が変わるタイミングだから」(19.3%)、「連休があるから」(8.3%)といった回答も見られました。
仕事のやる気が最も低下する季節は「夏」が最も多くなったことを受けて、「”理想”の夏の働き方」を複数回答で答えてもらったところ、66.3%の人が「テレワーク派」(必ずテレワークで働きたい:14.9%・テレワークで働きたい:19.2%・どちらかといえばテレワークで働きたい:32.2%)となりました。
しかしながら、「”実際”の夏の働き方」では、68.6%の人が「出社派」(出社のみ:39.4%・出社多め:14.3%・どちらかといえば出社多め:14.9%)と答えており、理想と現実とでは大きな違いがうかがえます。
そこで、夏の働き方について「出社が理想」と回答した250人に対して、「出社を希望する理由」を複数回答で教えてもらったところ、「一緒に仕事をするメンバーが出社するから」(40.8%)、「気分転換をしたいから」(30.4%)、「テレワークだと冷房費がかかるから」(26.0%)などが上位に並びました。
一方、「テレワークが理想」と回答した493人に対しても同様に答えてもらったところ、「外が暑い」(76.1%)、「移動による汗対策が面倒」「テレワークの方が快適」(いずれも57.8%)といった回答が挙げられました。
回答者からは、「女性は特にメイクや汗対策が男性よりも大変だし準備も面倒」「職業柄仕方はないが、猛暑なのにスーツでの勤務は辛い」「オフィスは冷房で寒く服装での調節が大変。気温差で風邪をひきそう」「体調やパフォーマンスに影響が出るのならテレワークで快適に仕事をする方がいい」「異常な暑さなのに出社しか選べないのはおかしい」といった意見が寄せられました。