猫好きの犬の相棒を探す
豆ちゃん(6歳・メス)は、横浜鶴見で長年TNR活動をしている人に保護された。子猫たちは生まれたばかりで、まだへその緒がついていたという。保護主は母猫と協力し子猫を育て、子猫たちは譲渡会を経て全員ずっとのお家に。母猫は避妊手術後地域猫になった。
神奈川県在住のSさんは、ゴールデンレトリバーの小麦ちゃんを飼っていたのだが、小麦ちゃんは大の猫好きだった。
「海外(アメリカ)在住の頃、一時帰国する友人の猫を2ヶ月ほど預かったら、小麦はますます猫が好きに。日本に本帰国したら小麦のために猫を迎えようと思いました」
Sさんは、小麦ちゃんがいるので、成猫ではなく子猫を迎えようと思った。2017年6月下旬に譲渡会に参加。保護主さスタッフと相談して、たくさんいる子猫の中から一番犬と上手くやれそうな、穏やかな性格の猫を選んだ。
「素人目にも、兄弟たちの中でも豆が一番おっとりぼんやり、穏やかに見えました」
犬や猫は大事なことを教えてくれる
7月、保護主に家に連れてきてもらうと、豆ちゃんは物おじせず、尻尾をピーンと立てご機嫌で部屋中を探索し、夫妻のこともすぐに受け入れてくれて甘えた。
「でも、小麦にはシャーっとガチギレ。小麦はガチギレされてもただニコニコと尻尾を振っていました。でも、数日で小麦の優しさに陥落し、それ以降は小麦にベッタリ。遊ぶ時も寝る時もご飯の催促もいつも一緒。元々おっとり穏やかな性格だったのに加え、小麦の愛情をたっぷり貰って成長したので、とても明るく優しい猫に育ちました」
大好きな小麦ちゃんが旅立って約1年半。Sさん夫妻は、2023年7月に生後2ヶ月半の子犬を迎えた。豆ちゃんは最初の数日は少しだけ用心しながら様子見をしていたが、すぐに慣れて積極的に子犬の世話をするように。
「今は毎日一緒に遊んでくれています。子犬にしつこくされてもかなり我慢強く諭してます。まるで6年前の先住犬と豆の関係を見てるようで涙が。先住犬は旅立ったけど、その精神は豆に受け継がれているんだと思います」
性格は一言で言うと天真爛漫。明るく、猫らしく自由奔放な面も。最近新たに「非常に面倒見が良い」面も発覚したという。好きなことは犬と遊ぶこと。小麦ちゃんが旅立ってからは、人に対してよく「猫じゃらしで遊べ」と催促するようになった。今はまた、新たに迎えた犬の米ちゃんと遊ぶことに忙しく、猫じゃらしで遊ぶ暇はあまり無さそうだ。
夫妻は言う。「猫を飼うのは豆ちゃんが初めてで、猫とはこんなに可愛い生き物だとは知リませんでした。私達が与える愛情以上のものを、犬や猫から貰っていると思います。彼らから大事なことをたくさん、たくさん教えてもらいました」