「ペルセウス座流星群」に「スーパームーン」!華やかな8月の星空を楽しもう

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こと座のベガ、わし座のアルタイル、はくちょう座のデネブが描く「夏の大三角」が空高く輝いています。美しい一等星に加えて、土星が明るさを増し見頃を迎えています。夏の風物詩「ペルセウス座流星群」は、好条件で多くの流星を観測できるでしょう。「伝統的七夕」と「スーパームーン」も見逃せません。
今回は、8月に注目したい星空情報をご紹介します。


【8月3日・30日】ひと月に2度の共演!見頃となる土星に月が接近

3日深夜から4日未明にかけてと、30日宵から31日未明にかけて、月と土星が並ぶ姿を観測できます。

土星は27日に「衝(しょう)」となり、観察の好機となります。衝とは、惑星が地球から見て太陽と反対側の位置にくる瞬間のこと。衝の頃の土星は地球との距離が近くなり、衝の前後数日間は0.4等の明るさで輝きます。

この時期の土星は、太陽が沈む頃に東の空から昇り、太陽が昇る明け方に西の空に沈みます。そのため、一晩中観測することが可能に。見頃を迎えた土星に注目してみましょう。

画像:国立天文台


【8月13日】好条件の「ペルセウス座流星群」が極大

三大流星群のひとつ「ペルセウス座流星群」が、13日17時頃に極大を迎えます。最も観測しやすい時間帯は、13日深夜から14日明け方と予測されています。

夜半過ぎから明け方にかけて半月を過ぎた細い月が昇りますが、月明かりの影響を気にせずに流星を眺めることができるでしょう。条件の良い暗い空では1時間あたり20~30個、街明かりがある場所でも10個程度は観測できると予測されています。

極大時以外でも、11日の夜から14日の夜までは普段より多くの流星を観測できると期待されています。流星は放射点がある星座を中心にあらゆる方向に流れます。そのため、なるべく空全体を広く見わたすことがポイントになります。

画像:国立天文台


【8月22日】古の星空を映し出す「伝統的七夕」

太陰太陽暦(旧暦)の7月7日に行われていた七夕の節句。国立天文台では、かつての七夕に近い日を「伝統的七夕」として、2001年から広報しています。月の満ち欠けの周期を反映した旧暦に基づく伝統的七夕は、現在の暦では日付が毎年変わり、2023年は8月22日にあたります。

日暮れを迎える頃、上弦前の月が南西の空に姿をあらわします。夜空が闇に包まれる頃には、織姫星(こと座の1等星ベガ)と彦星(わし座の1等星アルタイル)が頭上の空高くに輝いています。条件の良い暗い夜空では、織姫星と彦星の間を南の空へと流れる天の川がうっすらと浮かび上がります。

「伝統的七夕」は、古の人々が見た夜空に近い情景を見ることができる日。ぜひ、星々が描く物語を眺めてみましょう。

画像:国立天文台


【8月31日】希少な月!「スーパームーン」で「ブルームーン」

一年のうちで地球に最も近い月を「スーパームーン」と呼ぶことがあります。2023年は8月31日の満月がそれにあたり、最も遠かった2月6日の満月に比べると、視直径が約14パーセント大きく、光っている面積も約29パーセント広くなっています。

月の公転軌道は楕円形で、地球と月との距離は一定ではありません。そのため、軌道上のどこで満月になるかによって、見える月の大きさが変わります。月と地球の距離は約36万kmから40万kmの間で変化しており、接近するタイミングと満月になるタイミングが近いと月が大きく見えるのです。

8月は2日も満月で、同じ月に満月が2回あります。2回目の満月は「ブルームーン」と呼ばれることがあり、希少な月とされています。


華やかなイベントが目白押しの8月。漆黒の夜空で繰り広げられる天文現象を楽しみましょう。


・参考文献
『アストロガイド 星空年鑑 2023』 アストロアーツ

・参考サイト
国立天文台「東京の星空・カレンダー・惑星(2023年8月)」

画像:国立天文台

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