ジェルボールは猛暑で溶ける? ネット上に流れる耐熱35度説、冷蔵庫保管説 真偽を液体パック洗剤メーカーP&Gに聞いた

伊藤 大介 伊藤 大介

冷蔵庫には保管しないで

P&Gに「耐熱温度35度説」に対する見解をたずねました。

「弊社で行った試験では、乾いた手で扱い、使用後は蓋を閉めるなど、適切にご使用・保管いただいた場合、40度を超える温度においてもジェルボールが溶けたり、互いにくっついたりといった事象は見られませんでした。ジェルボールのフィルムは水分や湿気に反応して溶けるように設計されていますので、特に蒸し暑い季節には本体パッケージ内を乾燥した状態に保つことが重要となります」

乾燥していればジェルボールは40度でも溶けない、という回答でした。蒸し暑い夏、いかにパッケージ内に水分を持ち込まないようにするかがポイントになります。

続いて「冷蔵庫保管説」についても見解をたずねました。

「安全上の理由から、いかなる洗剤も、食べ物と一緒にはせず、またお子様や高齢の方の手の届かないところでに保管いただくことが極めて重要となります。そのため、ジェルボールを冷蔵庫内で保管することは避けていただきますよう、強くお願い申し上げます」

「そのうえで、ジェルボールに関しては次の注意点を守ってご使用・保管いただきますようお願い致します。
―高温、多湿の環境を避け、乾燥した場所での保管をお願いします。
―常に乾いた手でジェルボールをお取り扱いください。
―ジェルボールを取り出した後は、必ず蓋をきちんと閉めてください。
これらの対策にも関わらず、梅雨や夏の極めて高温多湿の時期などに、万が一、ジェルボールが互いにくっついてしまった場合は、無理に引き剝がそうとせず、P&Gお客様相談窓口までご連絡いただけますようお願い申し上げます」

◇  ◇

2015年、子どもが液体パック洗剤を誤って飲み込むなどの事故が相次ぎ、消費者庁が「子どもの手の届かない場所に保管してほしい」と注意を呼び掛けました。2014年4月から2015年1月にかけて事故は152件起き、うち110件は3歳以下による事故でした。

また、152件のうち104件は洗剤を飲み込んだり、口に入ってしまったりした事故でした。8人が入院し、うち2歳児1人に急性薬物中毒の症状が出ました。

世界各地で被害が出たことを受けて、同じ2015年、OECD(経済協力開発機構)やEU加盟国が連携し、「洗剤カプセルに関する国際啓発キャンペーン」も行われました。

ジェルボールは濡れた手で触らないようにし、子どもが誤って食べてしまわないよう、決して冷蔵庫で保管しないようお願いします。

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