梅雨が明けると夏本番!今年は夏祭りや花火大会も開催される所が多くなっています。夏のイベントの装いといえば「浴衣」。普段、着物を着ない方でも、夏になると浴衣を着るという方も多いかもしれません。女性も男性も普段と違う姿は、気分が上がりますよね。しかし、ここ数年は新型コロナの影響で花火大会や夏祭りも中止が相次ぎ、せっかくの浴衣も出番がないという方も多かったかもしれません。今年はぜひ普段のお出かけに「浴衣」や「着物」に挑戦してみてはいかがでしょうか。
今年は浴衣姿がたくさん見られそう
浴衣の歴史
夏になると着る機会が多くなる「浴衣」は、もともとは家庭でくつろぐためのものとして誕生しました。旅館でもお風呂上りに浴衣を着ますが、湯帷子(ゆかたびら)がその原型。汗や水分を吸い取ってくれるというのが本来の由来のようです。今ではお祭りや、花火大会など華やかに着飾って、お出かけ着として夏のファッションとしても定着しています。
ただ、夏は浴衣や着物は暑いのでは?と思われがち。実は着物は日本の気候に合わせた工夫があるのです。まず浴衣の素材には、様々なものがありますが、やはり夏の暑い時期に着るため、綿や麻、ポリエステルなど、吸湿性や通気性の良く、着心地が良い素材が多くなっています。
また、女性の着物には「身八つ口(みやつくち)」と言って、脇の部分に縫い目がなく、切れ目があります。これがあることによって腕を動かしやすくなり、また風通しが良くなるため、実は見た目ほど暑くないのです。
今や夏のファッションの一つとして定着しています
季節に合わせた着物の種類
そもそも、浴衣を含めた着物には様々なものがあります。洋服も、季節に合わせて衣替えをしますが、着物も同じです。帯や帯締め、帯揚げなどの小物も季節ごとに合わせます。着物や帯の柄も季節ごとに様々な柄があります。実は着物こそ季節感のあるファッションなのです。
着物は季節に合わせて柄も様々
この夏の時期、7月・8月は、裏地がなく、薄くて透け感のある「薄物」と呼ばれるものを着用します。素材には「絽(ろ)」や「紗(しゃ)」「麻(あさ)」などがあります。浴衣も7月・8月が着用のシーズンです。汗を吸いやすく、風通しの良い素材が使われていることが多くなっています。
10月から5月に着るものは、「袷(あわせ)」と言って裏地がついているもの。そして6月と9月は「単衣」と言って、裏地がついていない着物を着ます。
しかし、地球温暖化の影響などで、昔と今では季節感が少しずつ変わりつつあります。最近では、袷(あわせ)の時期といっても早い所では4月や5月、そして10月も汗ばむような暑さとなる日がありますので、いくら暑くても単衣を着るのを6月まで待たないといけないわけではありません。4月や5月でもよほど暑い日でしたら、単衣を着ても構いません。季節ごとの基本的な着物の知識は踏まえつつ、洋服と同じようにその日の気温に合った着物選びをすると良いでしょう。
夏のお出かけ時の注意
着物というと堅苦しく感じますが、浴衣でしたら、気軽に着れそうですね!今年の夏は、夏祭りや花火大会も再開する所が多く、浴衣でお出かけできる機会も多くありそうです。
ただし、注意点があります。
まず、夏の天候は変わりやすいこと。お出かけの際に晴れていても、気温の上昇で大気の状態が不安定になり、午後になって急な雨に見舞われることも。晴れている時は強い日差しを遮る日傘として、雨が降っている時は雨傘として使える、折り畳みの晴雨兼用傘があると、臨機応変に対応できます。お出かけ先で黒い雲が近づいてきたら早めに避難するなど、空模様の変化に注意して行動するようにしましょう。
日傘をさして涼しげに 晴雨兼用傘が便利です!
そして、もうひとつは熱中症対策です。浴衣は涼しげではありますが、やはり、暑さ対策は必要です。夏祭りや花火大会は屋外なので、エアコンが効かない所がほとんどです。浴衣に扇子やうちわを持っている姿は風情もありますし、手軽に風を送ることができるでしょう。また、携帯できる小型扇風機や、首回りを冷やす冷却グッズや保冷剤などもあると便利です。女性の場合は、身八つ口(みやつくち)と呼ばれる脇のあいた部分から扇子やうちわで風を送ったり、保冷剤などで冷やしたりするとさらに涼しく感じられるでしょう。
女性も男性も着物初心者の方も、ぜひ今年は浴衣や夏の着物で花火大会や夏祭りにお出かけしてみてはいかがでしょうか?tenki.jpではお出かけスポットの天気を確認することができますので、ぜひお出かけの際は活用してみてくださいね!
浴衣に扇子やうちわを持って