向精神薬や睡眠薬の個人間売買が横行 SNSで#お薬もぐもぐは絶対にダメ 専門家「犯罪に加担するのと同じ」

渡辺 陽 渡辺 陽

市川猿之助容疑者が薬物で母親の自殺を幇助した罪で逮捕されました。しかし、向精神薬や睡眠薬をそんなに簡単に、そして大量に入手できるものなのでしょうか。調べてみると、ツイッターには「#お薬もぐもぐ」というハッシュタグがありました。このタグを付けて向精神薬や睡眠薬を売買している人たちがいるのです。

薬物依存に詳しい国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所薬物依存研究部心理社会研究室長の嶋根卓也先生にお話を聞きました。

処方薬の販売は犯罪

――ネットで医薬品を個人が売買していいのでしょうか。

「向精神薬に限らず、処方薬全般に言える話ですが、勝手に自己判断で買えるものではなく、医療機関で医師が診察し、その方の病状や症状に合わせて最適な薬を選択、必要最低限の治療上必要な日数分が処方されます。向精神薬だと長期的に処方できないものもあるので、本来は慎重に病状を確認しながら処方します。#お薬もぐもぐ のように、ネット上で勝手に販売してよいものではありません」

――法的には処罰の対象になるのですか。

「向精神薬の売買は、『麻薬および向精神薬取締法』の譲渡に該当します。売っている側が許可を得ずに譲渡していることになるので、買うという行為も犯罪に加担していることになります」

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