庭に来ていた野良猫の母子
ひじきくん(2歳・オス)、うにちゃん(2歳・メス)は、生後1週間くらいの時に保護された。
2020年10月半ば頃、兵庫県のTさん宅の庭に、たびたび遊びに来ていた野良猫が子猫1匹を連れて来たという。Tさんは、母猫と子猫を一緒に保護した。
「ずっとそわそわと落ち着きがなく、何度も外に行っては帰って来てを繰り返していたので、まだ他にも子猫がいるのではないかと思って付近を捜索。なんとなく子猫の鳴き声がするので、声を頼りに探して庭の倉庫下で1匹、少し離れた物置スペースの奥まったところで更に2匹を発見しました」
全員保護して里親を募集すると、しばらくして子猫2匹には里親が見つかった。そして、Tさんが残った2匹を飼うことにしたという。母猫は、Tさんの実家の家族が飼うことになった。
「野良猫のお母さんが私の家を選んでくれたことに縁を感じたため飼うことにしました。見た瞬間にうちの子になるという直感がありました」
毎日が楽しく、良い日になるように
母猫と子猫たちは、用意したベッドに全員が入ってみんなでゆっくり寝ていた。子猫達は目覚めるとお乳を飲み、お母さん猫は甲斐甲斐しく子猫達のお世話をしていたそうだ。
名前は、母猫を「もずく」と名付けたので、海に関係する名前を付けようと考えた。キジトラでシマシマ模様がひじきのように見えたので「ひじき」、黒猫だったので「うに」と見た目から名前を付けたという。
ひじきくんはマイペース。素っ頓狂でドジなところがありおっちょこちょい。
「ひじきは少しビビりで、野良猫のケンカや非常ベルが鳴るなど何か一大事が起こると、うにちゃんを盾にし先に行かせ、自分は一番うしろでシッポを巻き小さくなってひとりでオロオロします。その割に新しい物好きで、目新しい物があると我先に一番乗りでチェックしにいきます。飛び乗りたくてジャンプしたのに届かずそのまま落ちて行くなど、色々な『珍・やらかし事件』があります」
うにちゃんはおしとやかで穏やか。優しいくて賢く、しっかりしている。
「うには女の子らしく穏やかな性格で、ひじきくんより一歩引いて物事を見ています。人の言葉もある程度理解しており、意思の疎通ができます。遊ぶことが大好きで、遊んで欲しい時は2本脚で立って、両手で招き猫のように顔の横で招く仕種をしてアピールします」
Tさんは、2匹を迎えて、何でも彼らのことを一番に考えるようになったという。
「この子達にとって毎日が楽しく、良い日になるよう1日1日を大切に過ごし、必ず『大好きだよ』と言葉に出して伝えるようにしています」