「生きていてくれて、本当によかった」ビニール袋に入れられ、捨てられていた姉弟猫…“幸せな大人にゃんこ”になるまで

古川 諭香 古川 諭香

生きていてくれて、本当によかった――。心の底から、そんな言葉を贈りたくなるのが、斑猫さん宅で暮らす2匹の姉弟猫。2匹はビニール袋に入れられて遺棄されていたところを救われ、「ずっとのおうち」を得ることができた。

犬の散歩中に見つけたビニール袋の中に3匹の子猫が!

住む人の暮らしに合ったフルオーダーメイドの家づくりを手がける「株式会社ユーリン・ホーム」にて相談役を務めている中井さんは、ある秋の早朝、いつものように犬の散歩へ。

すると、祠でビニール袋を発見。中にはなんと、か細く弱々しい声で鳴く、3匹の子猫がいた。子猫たちは産まれたてで、まだへその緒がついている状態だったという。

自宅にはすでに3匹の犬と1匹の猫がいたため、中井さんは初め保護を迷った。だが、カラスに襲われてはいけないと思い、家に連れ帰った。

3匹の体は氷のように冷たかったため、お湯で体を温めた。自身の年齢を考慮しても、自宅で飼うことはやはり難しいと感じたため、中井さんは3匹を育てながら里親を探すことに。白黒の女の子には「アン」、同じく白黒の男の子には「ポン」、茶白の男の子には「タン」という名前をつけ、成長を見守った。

保護後、3匹の体重はどんどん増えていき、10日目には拾った時の2倍に。だが、そんな矢先、タンくんが逝去。中井さんはやりきれなさを覚えたが、残る2匹を育てながら、里親探しを継続した。

姉弟猫が愛猫を失った心の穴を埋めてくれた

そんな2匹と運命的な出会いを果たしたのが、現在の飼い主である斑猫さんだ。実は斑猫さん、1年半前に16年を共にしてきた愛猫を亡くしたばかりだった。

「目の前で苦しんでいるのに何もできず、探しまくった夜間動物病院に運んだ時には、『もう瞳孔が開いています』と獣医さんに言われました。その無力感がすごく悲しく、愛猫に申し訳なくて、以来、猫は迎えられませんでした」

だが、ある日、友人から、「乳飲み子を拾った人が里親を探しているから、一度見てみない?」と言われ、中井さん宅へ。対面時、仲のいい2匹を見て、斑猫さんは、「この2匹が一緒なら乗り越えていけそう」と思い、里親になることを決意した。

お迎え後、アンちゃんは「ココア」ちゃんという名前に。ポンくんは、「アールグレイ」くんになった。2匹を迎えた時、斑猫さんはあまりにも活発な姿に仰天したそう。

「子猫ってこんなに活発だっただろうか…と思うくらい、走りまくるわ、昇りまくるわ、2匹で遊びまくるわ…。もうびっくり。人見知りだった先代猫とは、真逆でした」

2匹は鳴き方が分からないのか、全く声をあげない分、態度で気持ちを示しているように見えたという。

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