2017年の10月、動物愛護センターにお腹に大きな腫瘍があるワンコが収容されました。名前はアクシス。推定12歳というシニアのメスのワンコです。ご飯を食べても、栄養を腫瘍に取られてしまうのでしょうか、新聞紙まで口にしようとしましたた。
座った状態で、地面につくほどの大きな腫瘍を抱えていた
この話を聞いた保護犬団体・ピースワンコ・ジャパン(以下、ピースワンコ)のスタッフが引き出しに駆けつけました。アクシスは座った状態でも腫瘍が地面につくほどに大きさです。一刻も早い治療を迫られていることには変わりません。スタッフはアクシスを引き出してすぐに病院に連れていきました。そして、入院し手術を施してもらうことにしました。
術後のアクシスは、本来の明るい性格を露呈し始めた
愛護センター職員の素早い連絡、ピースワンコ・スタッフの素早い対応、そして病院の先生による適切な処置により、腫瘍の切除に成功し、アクシスはみるみる元気を取り戻していきました。
元気になったアクシスは本来の人間好きで、明るい性格が顔を出し、スタッフや他のワンコたちからも人気者となり、ピースワンコのムードメーカー的な存在になりました。
多くの人たちの愛情を受けて、虹の橋へと旅立ったアクシス
ただ、大きな病を経験していること、そして推定12歳超というシニア犬であることから、現実的には新しい里親さんへの譲渡は難しいものがありました。
ピースワンコは、団体が取り組んでいる「ワンだふるファミリー」の一員になってもらい、アクシスの譲渡先が見つからなくても、その生涯を他のワンコたちと一緒に同団体で過ごしてもらうことにしました。
「ワンだふるファミリー」で過ごすワンコたちにかかる費用は、全国の支援者から寄せられたものが大半です。アクシスが保護されて2年ほどが経過した頃、ある支援者が遠くからアクシスに会い来てくれました。
初めて会う支援者の方にもすぐになつき、一緒に散歩することもできました。アクシスの元気で明るい様子を見た支援者の方もきっと安心したことでしょう。
こういったアクシスの様子を前に、スタッフは「本当は、家庭の中で、アクシスはたくさんの幸せを貰うべきだ」と考えていましたが、保護されて2年数カ月が経過した頃、多くのスタッフや他のワンコたちに見守られながら、アクシスは虹の橋を渡ることになりました。
アクシスを気にかけお世話をしていたスタッフの杉原さんは、予期せぬ旅立ちに言葉を失いました。しかし、アクシスが穏やかな晩年を過ごせたことは多くの支援があったからこそと、支援者への感謝の気持ちでいっぱいにもなりました。そしてアクシスのような譲渡が難しいワンコであっても、これからも1頭でも多くサポートしていきたいと、胸に誓いました。
ピースワンコ・ジャパン
https://peace-wanko.jp/