「棒状の大判焼きで、具はカレー?」一時は途絶えた京都・宮津名物 カフェの試験販売で「懐かしい」と喜びの声続出

京都新聞社 京都新聞社

 京都府宮津市万町の就労継続支援B型事業所「すまいる」が、一時途絶えた宮津名物「カレー焼き」作りに力を入れている。事業所を運営する与謝野町の社会福祉法人「よさのうみ福祉会」が7月、障害者の作業所やカフェが一体となった施設を同市鶴賀に開設予定で、“懐かしの味”を販売し、多くの人が憩える空間をつくれるよう職員が腕を磨いている。

 カレー焼きは、同市鶴賀の駅前通りにあった店「あかふく」で販売されていた長さ約10センチの棒状の大判焼きで、キャベツやタマネギをカレーのルーであえた具材を生地に包んで焼き上げている。2018年に店主が亡くなり閉店したが、21年から同市漁師の観光商業施設内で復刻版が販売されている。

 今回、「すまいる」が施設開業に合わせ、「宮津を象徴する味で人と人を結びつけられたら」と、カレー焼きの販売を考案した。具材には農作業に従事する利用者が育てたジャガイモやタマネギを使用している。

 試験販売は「すまいる」近くの調理場で、昨年10月から始めた。当初、焼き加減が分からず表面がまだらになってしまっていたが、広島県福山市の粉もの製造販売会社からアドバイスを受け、均一な焼き色に仕上げられるようになった。中高年の女性を中心に「懐かしい」と好評で、多い日には50食が売れるという。

 今後、施設利用者が育てた野菜をさらに増やし、調理にも携わってもらう予定だ。管理者の杉本正和さん(59)は「名物を通じて地元住民や障害者、観光客が隔てなく憩える空間をつくりたい」と意気込んでいる。

 同法人のカレー焼きは水、木、金曜日の午前11時~午後3時に販売している。あんことクリームもあり、1個150円。移転後は7月3日から発売予定。

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