生き延びるのはレア…ピンク色のドジョウが15年生存 「おつぼねさま」と呼ばれ、エビのマネもする”クセスゴ”さん

山陰中央新報社 山陰中央新報社

 島根県邑南町上亀谷にある「瑞穂ハンザケ自然館」に、体や目がピンクのアルビノとみられるドジョウが展示されている。2008年夏に町内で見つけた町民が、持ち込んだもの。ドジョウの寿命は野生では1~2年とされる中、今年で15年以上の長寿を誇り「自然館のおつぼねさま」の愛称で、大事に育てられている。

体長約15センチで性別は不明。背中や目が薄いピンクで、遺伝情報の欠損により生まれつき色素が少ないアルビノと考えられるという。

 町民が15年前、自宅前の水路で生後2~3年と推定されるピンクのドジョウ2匹を発見し、08年7月19日に自然館に届けた。自然館によると、アルビノは自然界では目立つために捕食されやすい上、紫外線に弱く、生まれても生き延びるのはまれだという。

 県立宍道湖自然館ゴビウス(出雲市園町)によるとドジョウの寿命は水田で1~2年だが、飼育した場合は15年生きることもあるという。

 自然館のピンクのドジョウは〝相方〟の1匹が19年に死んだ際、動きが鈍くなった時期もあったが、その後に回復。今は高齢のはずだが、年を感じさせないほど元気に水槽内を動き回っている。

 ハンザケ自然館の伊東明洋学芸員(58)によると、好奇心旺盛な性格で、同じ水槽にいたスジエビやシマドジョウの生態をまね、水面近くまで顔を出したり、底砂に潜り始めたりしたことがあった。〝物まね〟で老後を楽しんでいるかどうかは定かでないが、伊東学芸員は愛らしい姿を眺めながら「この調子で長生きしてもらい、多くの人に姿を見てほしい」と笑った。

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