徳島県の山中で柴犬が約20頭も大量遺棄されていた事件が発覚した。多くがメス犬であり、犬歯が削られ声帯も切除されていることから、繁殖業者が遺棄した可能性が示唆されている。
小柄で可愛い柴犬は、トイ・プードルやチワワ、ミックス犬(デザイナー犬)と並ぶ人気の犬種だ。海外でも「SHIBA_INU」として高い人気を誇る。
柴犬は日本の天然記念物にも指定されている、生粋の和犬種。社交的で穏やかな性質の個体も増えたが、柴犬は全犬種の中で最もオオカミに近いDNAを持つと言われており、飼育の際は「知識」と「覚悟」が絶対に必要な犬種だ。
8歳になる黒柴の女の子、あずきちゃんと、9歳になる胡麻柴の女の子、花ちゃんと暮らす、あずはな|おとーぽんの方(@shibainu_hanazu)さん。自身が2頭の柴犬と暮らす上で実感した「覚悟すべきこと」をTwitterに投稿し、話題になった。
「■柴犬を飼う前に知っておきたいこと ◯柴犬を飼うとお金がかかる:一番覚悟しておかなければならないのはお金だと思います。現在進行形で結構悩まされます(笑)。これは柴犬に限らずですが、犬を飼うとやっぱりお金がかかります。というか、柴犬はまだましな方みたいですね。・ご飯代がかかる…」
お金、散歩、柴犬魂……
続けて、あずはな|おとーぽんの方さんは自身の愛犬を例に挙げ、「柴犬を飼う前に知っておきたいこと」の5項目を解説した。
1)お金がかかる(フード代、病院の治療費や検査費用など)
2)家の中がボロボロになる(特に子犬期に壁紙や家具をかじられる)
3)毎日散歩に行かなくてはならない(柴犬は家の中で排泄できない子が多く、天候や飼い主の体調・都合に関わらず、毎日最低2回の散歩が必ず必要)
4)旅行に行けない(ペットホテルでは満足に散歩をしてもらえないことが多く、知人に預けるのはトラブルの元)
5)狂暴な柴犬もいる(柴犬は全犬種の中でもっともオオカミに近いDNAを持つと言われる)
「柴犬」を飼育放棄しないために
繁殖業者のモラル以外にも、飼い主側の飼育放棄も大きな問題になっている。実際、里親サイトなどには日々、無責任な飼い主に遺棄された柴犬たちが多く掲載されている。飼育放棄の主な理由が「柴犬の飼育がこんなに大変だとは思わなかった」という、知識不足によるものだという。
SNSなどで見かける、愛くるしい柴犬たち。しかし柴犬は元来、猟犬や番犬として活躍していた野性味あふれる和犬種。自立心や警戒心が強く、洋犬の性質を基盤にした「トレーニング」には向かない個体も少なくない。また、屋外でしか「排泄」できない個体が多く、本能的な問題であるため、「しつけ」などではコントロールが難しいという。
すべてのペット飼育に共通する「お金の問題」を筆頭に、「柴犬を飼う前に知っておきたいこと」について、あずはな|おとーぽんの方さんに話を聞いた。
「思ったより大変」と実感したから……
ーーもともと「柴犬」と暮らそうと思ったきっかけは…?
「先にあずきを迎え入れたのですが、あんまり深くは考えていませんでした。なんとなくの好み、ですね。自分自身が『好みで決めちゃったけど、思ったより大変だなあ』と実感したので、これから飼う人は柴犬のことをきちんと知っておいた方が心の準備ができて良いかなと思い、ブログやTwitterを通して、今回のような投稿をしている感じです」
ーー①お金 ②家の傷み ③毎日の散歩 ④旅行に行けない ⑤柴犬の性質 この5項目の中でも特に覚悟が必要なのは…?
「いちばん生活に影響があるのはやはり、毎日の散歩ですね」