カレー「ココイチ」の「トッピング全部乗せ」 50代男3人が1号店で挑戦、そのビジュアルと金額が驚きだった

小嶋 あきら 小嶋 あきら

 「CoCo壱番屋に全部乗せというメニューがあるらしいんです。ぜひ食べてみたいんですけど一人では絶対に無理そうなんで、手伝ってもらえませんか?」

 常々「カレーは飲み物!」とか「朝食前に軽く牛丼を」とかよくわからないことを言っている友人のIさんが、そんな話を持ってきました。揚げ物大好き、茶色い食べ物万歳の筆者としても、これは大いに気になります。行かざるを得ません。

カレーを食べにわざわざ往復400キロ超えの旅に出た

 Iさん曰く、カレーハウスCoCo壱番屋といえば西枇杷島店(愛知県清須市)が発祥の地で、壱番屋記念館という施設が併設されているそうです。記念館を訪れて、CoCo壱番屋に対するリスペクトの心を思いっきり高めてから全部乗せに対峙しよう、そんな心意気でしょうか。Iさんは事前に記念館の予約も取ってくれていました。

 Iさんも筆者も関西在住です。前乗り前泊して、なのに道を間違えて遅れそうになりながら、その日10時30分に現地に辿り着きました。そこにはもう一人、共に全部乗せに立ち向かってくれる心強い友人Kさん(本当は彼も名字はIさんなのだけどややこしいのでKさん)が待っていて無事に合流しました。

 

 記念館には歴代のポスターやノベルティなどが所狭しと展示されています。色とりどりのカレースプーンやぬいぐるみ、自転車などもあります。海外店舗の様子も紹介されていて、場内はまさに黄色の坩堝、カレーのワンダーランドであります。

お店に入って静かにその時を待つ

 さて、充分に期待を盛り上げた我々は一階のCoCo壱番屋西枇杷島店に移動、四人掛けテーブルにスタンバイします。程なく店員さんが注文を取りに来られます。そしてIさんは「全部乗せで」と、静かに注文します。

 但しこれ、「全部乗せ」という決まったメニューがあるわけではないので、実際の注文はそうシンプルではありません。まず前提として「全部乗せ」というのは「トッピング」なんですね。だから当然、最初にベースになるカレーを選ばないといけません。「ここはやっぱりヘルシーにポークでいきましょうか」と、相変わらず不思議な理屈でしたが、ポークカレーの600グラムを基礎に全てを乗せまくっていくということで話がまとまりました。

 それから細かいことになりますが、トッピングメニューには一部かぶりがあります。たとえば「チキンにこみ」と「ハーフチキンにこみ」は量が半分なだけで同じものです。そういうものに関しては「ハーフを省く」という方針にしました。

そしてやって来たその姿はまるで茶色い富士の山

 少し時間がかかりましたが、いよいよテーブルに「全部乗せ」がやって来ました。それはもうまさに揚げ物タワー、茶色が支配する小宇宙。フライやカツが層を成しています。そして、カレーが見当たりません。天下の成層火山富士山の伏流水のごとく、地下に潜んでいるのでしょう。

 「あの、写真撮ってもいいですか?」

 その声は運んでこられたお店の方でした。プロも珍しがる破天荒なその佇まい、おそらくこういう注文はよくありそうで実はあまりないのでしょう。ネットで検索すればいろいろヒットするのですが、本当にやってみる人はそうそういないのかもしれません。

 大皿の周りをタルタルソースその他の小皿が空母打撃群のイージス艦のように取り巻いています。これはなかなか壮観です。他のお客さんの好奇の視線を集めながら、我々三人はその茶色い山に向き合いました。

 先程も述べたように、カレーはかなり奥深いところにありますから、まさにひたすらカツやウインナーを取り除き食していきます。幸せな作業です。「この肉塊キープ!」なんて、最初のうちはむしろ「取り合い」に近い感じで三人それぞれわしわしと食べ進めていたんです。

 とはいえ我々、三人とも五十代です。若い頃はそれこそ胃だけでなく食道まで使って、喉元いっぱいになるまで食べられた、そんな実感があるんですが、お腹より先に胸がいっぱいになる年頃です。いい大人が何やってるんだ、と言われてまったく返す言葉もありません。とにかく頑張りましたが、最後少しだけ揚げ物をお持ち帰りしました。容器をくださったCoCo壱番屋さん、ありがとうございました。

 

 毎年の健康診断でアスタリスクの付いた数値と戦う日々、たまにはこういう日もあっていいよね。そんな言葉を交わし合いながらお店を後にしました。ちなみにデザートは別腹でした。

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