広大な空港でインコが迷子に!飼い主パニックの中「ペット探偵」が地道な呼び掛け→多くの人が協力し…

小森 有喜 小森 有喜

5月8日、羽田空港第1ターミナル出発ロビーで鳥カゴから逃げてしまったセキセイインコの「つゆすけ」ちゃんが2日後の夜、無事に保護されました。一度は姿すら見えなくなってしまっていましたが、飼い主から依頼を受けた「ペット探偵」が空港内にいる人に粘り強く呼び掛けを続け、空港スタッフや有志の人たちの協力もあって保護に至ったそうです。

「ペット探偵ペットヘルプ」の吉田伊吹さん、春子さん親子にお話を伺いました。

8日午前中、鹿児島に向かう予定だった飼い主さんが空港に連れてきた際、逃げ出してしまったつゆすけちゃん。間もなくして姿すら見えなくなってしまいました。飼い主さんは懸命に探しましたが夕方になっても見つからず、吉田さんのところに依頼が来たそうです。

吉田さんによると、当時飼い主さんはパニックになり、電話口で泣きながら状況を説明していたそうです。ちょうど都内で迷い猫を無事に保護し終えたばかりだった吉田さんたち。翌日以降は遠方でペット探しの予約が入っていたため「現場で探せるのは今夜だけになってしまいますが、それでもよければ」と急いで空港に駆け付けました。

到着後、 地図と照らし合わせながら逃げ出した場所、最後に目撃した地点などを聞き取り、鳥がとまれるポイントをくまなく探しました。すでに屋外に逃げ出している可能性もあり、飼い主さんも気が気ではない状態でした。

伊吹さんは捜索活動と並行しつつ、スマホのアプリでつゆすけちゃんの写真入りの「鳥を探しています!」というチラシを制作。空港内のコンビニですぐに50枚ほどをカラー印刷し、周囲への呼び掛けを始めました。空港スタッフや警備員に丁寧に声かけし、店舗にも貼ってもらうなどしました。

そんな中、飛行機発着のアナウンスや雑音にまぎれて、かすかに聞こえた鳥の鳴き声を伊吹さんは聞き逃しませんでした。「自分でも空耳かと思うほどでしたが…」と伊吹さん。音を頼りに近づいていくと、はるか頭上の天井近くで休んでいるつゆすけちゃんがいました。

その後、飼い主さんはどうしても外せない用事のため鹿児島へと移動し、吉田さんたちが捜索を続行。ロビーが閉まるぎりぎりの時間まで姿を追い続け、夜間の清掃に入る業者の人にもチラシを手渡して「もし下に降りてきたら保護してもらえませんか」と頼んでまわり、結局空港を去ったのは深夜1時ごろでした。

翌日、吉田さんたちは静岡で先に依頼を受けていた案件があったため空港に行くことはできませんでした。それでも、伊吹さんがチラシとともにつゆすけちゃんのことを紹介したツイートを見た人が、なんと空港まで駆けつけてくれたそうです。そして「まだつゆすけちゃんは天井近くにいますよ」と状況を伝えてくれ、飼い主さんに随時情報を届けることができました。伊吹さんは「そこまでの行動を起こしてくださる方がいるなんて、本当に心強く感無量でした」と振り返ります。

そして迎えた10日夜。つゆすけちゃんが空港利用者の肩に止まったところを警備員が見逃さず、すかさず保護することに成功しました。つゆすけちゃんが無事だったことを知った飼い主さんは、泣きながら喜んだそうです。

吉田さん親子は「空港関係者の方もお仕事のかたわらずっと気にかけてくださり、保護につながりました」と感謝を述べます。「心を込めて迷子チラシを渡していた事で皆さん心配して見守ってくれていました。チラシから皆さんの助けたいという気持ちが無事保護へ繋がったと思います」と話しています。

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