扇風機を愛する小1息子の「猫の形の扇風機を作りたい」が実現へ 子どもの道を塞がない子育てとは?

太田 浩子 太田 浩子

「『大きくなったら、扇風機の開発者になる』と言う、6歳の息子。 その夢を全力で応援してくださる企業さんと出会いました! この夢、一緒に応援してください!!」

 こんなツイートが反響を呼んでいます。投稿したのは3人の子ども、4匹の猫と暮らす「なみそ(@omochi_nam01)」さんです。なみそ家の写真には、いつもレトロでカラフルな扇風機が大量に写り込んでいます。持ち主は、2歳の頃からプロペラや回るものが大好きという「扇風機坊ちゃん」ことRYOSUKEくん。好きな気持ちを持続しながら、夢を叶えていくRYOSUKEくんを、楽しみながら支えるなみそさんのご家族に聞きました。

 RYOSUKEくんは、4歳になった頃にはすでに扇風機8台、ハンディ扇風機10台、ガチャガチャ扇風機50個を持っていました。誕生日などのプレゼントに扇風機をリクエストし、なみそさんもレトロ扇風機を落札してあげたりと、現在も扇風機の数は増え続けています。集めるだけでなく、幼稚園の頃から家に帰ると扇風機を分解掃除して大切にしてきたRYOSUKEくん。以前の取材で、扇風機のどんなところが好き?と聞いたときには、「かわいい」からと答えてくれました。

 そんな扇風機好き坊ちゃんの「好き」な気持ちを応援する投稿をしてきたなみそさん。やがて、さまざまな人が手を差し伸べるようになっていきます。扇風機を譲ってくれる人が現れたり、扇風機メーカーに訪問が実現したり、テレビ出演したり、ガチャガチャ扇風機の開発を手伝ったり。

 そして、あるテレビに出演したときに「猫の形の扇風機を作りたい!」と夢を語るRYOSUKEくんを見た企業から「ぜひ一緒に作りましょう」と声がかかり、今回のツイートとなりました。なみそさんに、詳しいお話を聞きました。

──RYOSUKEくん、作りたかった扇風機を作ることができると知ったときは大喜びだったでしょうね。

 扇風機を作ってもらえると分かった時は、最初は全然実感がない感じでしたね。打ち合わせのzoomで、担当の方と顔を合わせた時にやっと「本当に作ってもらえるんだ」と実感したのでは、と思います(笑)。実は家族みんな、実感があまりなかったです。

──そうでしたか。切り絵作家として活躍するお兄ちゃんのKENくん(小4)が描いた猫の扇風機になりました。兄弟コラボになったのですね。

 アイデアは、家族みんなで考えました! ポーズをどうするか迷った時に、「やっぱりこのポーズがKENっぽい」と言ったのは娘(お姉ちゃんのYUZUちゃん。小6)です。そして、片手を挙げて「ハーイ!!」としている、このポーズに決定しました。娘は洞察力がすごくあるので、よりNEKO KEN(切り絵のブランド名)らしいものになりつつ、RYOSUKEが望んでいるデザインや仕様になるようにアドバイスをしてあげていました。このデザインになるようにいちばん背中を押してくれたのは、実はお姉ちゃんです(笑)。RYOSUKEが付けたい機能と、NEKO KENらしいデザインを兼ねそなえた扇風機。まさにこの扇風機は、家族愛の権化です…!!!

──YUZUちゃんもいたからこそ完成したということですね。RYOSUKEくんが付けたかった機能とは?

 両足に着いている水色の肉球ですね! プニプニしていて、押すと「ニャーン」と鳴くんです。強弱によって鳴き声が変わります(笑)。以前息子がとあるテレビに出た時に、「ボタンは肉球や猫の顔、押すとにゃーんという扇風機を作りたい」と言っていた事があって…。しっかりその夢は叶いました!

──KENくんがこだわったところはどんなところですか?

 オッドアイなところ!だそうです! そこを沢山の人に見てもらって、可愛がってほしいそうです。

──YUZUちゃんは料理と切り絵、KENくんは切り絵、RYOSUKEくんは扇風機と、みんな好きなことをとことん楽しんでいます。なみそさんは、声掛けなどで気をつけていることはありますか?

 「否定しない」ですね。否定をされたら、誰でももうやりたくない!って思いますよね。よっぽど危険な事や、誰かが傷付くような事は勿論止めますが、それ以外のキラキラとした熱量が向けられているものは、全力で応援します。

 我が家には数多くの息子の扇風機コレクションがありますが、「扇風機に興味がなくなったらどうするの?」と沢山言われます。でも、それはその時に考えますよーー。後々の事を考え過ぎて、子ども達が進みたがる道を塞ぎたくないです。

 長男も、今は特に習い事もせず切り絵一筋。いいじゃないですか! イヤイヤやる習い事より、好きな事をトコトン!!!その代わり、半端な気持ちは許しません(笑)。誰にも負けない熱量で体当たりです!!

──子どもの進みたい道を塞ぎたくないと思いつつ、うまくいかなかったりするのですよね…個人的な話になっちゃうのですが反省(苦笑)。今回のねこ型扇風機の実現で、なみそさんが感じたことはどんなことですか?

 「好きって最高の原動力」と言う事を教わりました。

 アンパンマンやトミカではなく、その熱量が全部扇風機に向けられていただけなのに。そこからTwitterで「おもしろい」と話題になり、山善さんや東芝さん、ケンエレファントさんという大企業さんにいっぱい夢を叶えてもらい、そしてパートナーズさんに扇風機を作っていただくという、こんな奇跡が生まれました。

 「どうせ無理」とか「まだ子どもなんだから」じゃない世界。とっても素晴らしいです。この世はとっても優しい世界で、子ども達の未来は明るい!と思いましたね。

 ◇ ◇

 クラウドファンディング「ねこ型扇風機」プロジェクトは、5月下旬に開始されます。

「ネコのお腹が扇風機と言う発想も面白いけど、兄弟間のコラボレーションが1番、尊いです。」
「実現早ー‼️ ふたりの夢叶って素敵♡」
「おぉ〜兄弟コラボ家族愛満載の作品ですね✨😭 見た目も性能も優秀な逸品間違いない!微力だけど応援します!」
「乗っからせていただきますよ! コレってなみそ家の応援ももちろんありますが、こどもの好きがとんでもないことに発展して皆を巻き込んでオトナも社会も楽しませて動かせてしまうという最強のモデルになってほしい、そんな願いも託したいからです。この扇風機、スゴイぞ🙌」
「これはすごい。夢は叶う。」

現在、応援コメントが続々と寄せられています。

◾️【RYOSUKE × NEKO KEN】ねこ型扇風機クラウドファンディングのページ https://cocomeow.partners-shop.com/blog/2023/04/22/120000

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