字が汚い小5の息子「毎日2ページの漢字書き取り」宿題が負担…深夜までかかって寝不足に「ノートを埋める作業に意味はあるの?」

わたなべ こうめ わたなべ こうめ

春は進学の季節。子どもが小学校に入学する家庭では、初めての授業に不安を感じるものですよね。また、知り合いから宿題の話を聞いて、今から戦々恐々としている人もいるのではないでしょうか。

小学生の代表的な宿題と言えば、ひらがなや漢字など文字の書き取りです。担任の先生によっては「丁寧に正しく書く」を徹底する場合があり、親子で負担を感じてしまうことも。息子が中学受験を控えたY子さんも、学校から出る漢字の宿題で息子が寝不足になり、しかも親子バトルに発展するので疑問を感じていました。

塾や習い事が忙しく宿題が負担に…

Y子さん(東京都在住、40代、専業主婦)は息子(11歳、小5)の宿題の扱いについて悩んでいました。息子のクラスでは毎日2ページ漢字の書き取りの宿題が出ますが、確実に生活の負担になっているのです。息子は中学受験のために塾通いをし、ピアノも習っている多忙な小学生。日々塾の宿題やピアノの練習に追われ、じっくり宿題に向き合う時間がありません。

それでも、根が真面目な息子は毎日漢字の宿題に取り組んでいます。問題なのは、字が汚く時間がかかること。塾がある日は漢字の宿題が終わるのが深夜になってしまいます。

漢字の宿題で毎日のように親子バトル勃発!

Y子さんは息子の寝不足が心配で、早く丁寧に書くように毎回伝えています。息子は不器用なところがあり、急いで書くと字が崩れてしまう様子。「集中して書けば丁寧に早く書ける」とアドバイスしても、急ぐとどうしても字が雑になってしまいます。しかし、丁寧に書こうとすると、たった2ページに1時間以上もかかってしまうのです。

見ていられないY子さんは、つい口うるさく「早く書きなよ」と言ってしまいます。結果、雑な字で書かれた漢字ノートになってしまい「どうしてもっときれいに書けないの?」と小言が出てしまうことも。すると、眠気と疲れで不機嫌な息子が言い返して親子バトルが勃発!毎日のように息子と言い合いになってしまいます。

汚い字で書くなら宿題をやらない方がマシでは?

塾があった次の日、息子はなかなか起きられません。宿題のせいで明らかに寝不足です。Y子さんは早く書く方を選択させますが「殴り書きの漢字ノートを提出するくらいなら、宿題をやらないほうがマシでは?」という考えが頭を過ぎります。

実際「寝不足は体に悪いし、字をきれいに書く時間もないのだから、宿題を出すのをやめたら?」と息子に言いました。しかし、息子には「宿題を出さないのは悪!」という固定概念があるようで、どんなに眠くても宿題に取り組みます。Y子さんは「汚い字が定着してしまうのでは…」と不安でたまりません。

宿題の意味とは?

そもそも、Y子さんは漢字の宿題そのものに疑問を感じていました。なぜならば、息子は漢字をしっかり覚えているからです。記憶力が良い息子は漢字を覚えるのが得意なので、きれいな字で書いていなくてもテストは高得点を取れるでしょう。息子にとって漢字の宿題は「覚えるための行動」ではなく、ノートを文字で埋める「ただ書くだけの作業」となっているのです。

それでも、学校が出す宿題には丁寧に取り組むべきでしょうか?睡眠不足になってまで漢字の書き取りをする必要はあるのでしょうか?

同じ年代の子を持つ保護者は、「作業になっている漢字の書き取り」についてどう思っているのでしょう。

▽30代/10歳女児・保護者
うちの娘は恐ろしいほどきれいな字で書きます。先生が、3重花丸、二重花丸、1重丸、直し、と丸付けをしてくれるので、必ず3重花丸を貰わないと気が済まないようです。かなり時間をかけて取り組んでいるので、時間がかかります。そこまでストイックにならなくて良いのにとも思います。

▽40代/男子・保護者
担任の先生が宿題の漢字は保護者に〇をつけさせ、必ず美しい文字で書くまでやり直してから提出することを課されている。忙しい時に、わたしが適当に〇をつけると、先生から✖がつけられやり直しさせられる。親のメンツ丸つぶれ。先生もチェックするなら、保護者の丸付け必要?漢字の宿題本当にやめてほしい。

▽50代/昔の保護者
書いて覚える昔ながらの勉強法は何十年も前から変わっていない。世界は変化しているのに、学校教育の現場は進化に対応できていない気がする。

「覚えること」よりも「書く練習」が重要…との指摘も

「漢字の書き取り」について、元小学校教諭で現在は学習塾の講師をしている方にお話を伺ってみました。みなさんはどう思われますか?

――漢字の書き取りの宿題について、時間をかけてきれいに書く必要はあると思いますか?
きれいに書かなければ、練習にはなりません。雑にいい加減に書くのならそれこそ時間の無駄遣いです。

――漢字を「覚える」のではなく「きれいに書く練習」が「漢字の書き取り」ということですか。
きれいに書く練習は義務ではなく、自分をワンランクアップさせる貴重な時間だと考えましょう。じっくり文字と向き合えるのは小学校の時だけ。そんな贅沢な機会を逃すなんてもったいないと思います。

――たしかに、大人になると自主的にやろうとしなければ文字を書く練習はしませんね。
字のきれいな人って格好いいですよね。将来、お礼状やお詫び状を自筆で書くとき、美しい文字で書いたほうが相手に心が伝わる。そのための文字書き練習です。

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