小学3年生は「学力差がうまれる分岐点」…ここでうちの子はつまづいた!保護者たちに聞いた対処法

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小学3年生は「学力差がうまれる分岐点」と言われます。低学年のうちはそれほど感じなかった学力の差が、小3から小4にかけてハッキリと出てくる傾向があります。そして学力差はやがて高学年で明確になり、「勉強が苦手な子」はますます勉強嫌いになる悪循環に…。先輩保護者たちに聞いた「小3でつまづいた」わが子のエピソードをもとに、対処法を探ります。

うちの子「小3で成績落ちた!」算数編

▽Fさん

小3になって算数が一気に難しくなった。割り算やら少数やら、ちょっとあやしいなぁと思っていましたが、まだ学童に通っていたこともあり、宿題もちょこちょこ見ているだけだったのがまずかった。さらに自分も忙しくて声がけしないとテストを見せないことも多く、成績が落ちてきていることに気づかなかった。小5になって明らかに算数ができないとなってきてから「やばい」と思ったが自分ではどうにもできず…。結局、近所の補習塾に行かせてます。

▽Uさん

割り算くらいまではスラスラいっていたのに、長さや図形でつまずきました。mをKmに直すとか、円と球の問題なんかはテストも後半の問題がほとんどバツ。小1や小2では、算数でも九九だったり、足し算引き算が中心で教えやすかったのですが、単位の問題なんかはうまく説明できず、わからないからイライラして怒ってばかり。しまいには子どもが泣き出すか、逆に「もういいよ!」と私があきらめてしまうパターン。これではまずいなぁと思いつつ小4になった今、ますます学力の差が出てきた感じで焦っています。 

▽Mさん

□を使った計算式。「お菓子を3個ずつ何人かに配ると、全部で27個になった。お菓子を配った人数を□人で式を書きなさい。□をもとめる式にして、お菓子を配った人数をもとめなさい」こんな感じの問題です。回答を見ると3×□=27まではなんとかできるけど、□をもとめるのに割り算を使うところにたどりつかない……。ということが、子どもの宿題を見ているうちにわかった。できないポイントはわかったけど、私は当たり前に割り算をして答えが出てきてしまうから、当たり前に答えが出てこない子どもにうまく教えられない!

うちの子「小3で成績落ちた!」国語編

▽Aさん

小3になって文法が難しくなった。修飾語や接続詞がわからず、見ていると主語と述語(小2で習ったはず)もできていないし、こそあど言葉もあやふや……。国語の問題は片手間では教えられないから、家庭学習もついつい「あとで教える」と言いながらそのままに。こうして学力の差が広がるんだろうなぁと思いつつ、何もしていない。

▽Fさん

低学年でしっかり短くても正しい文章を書く練習を怠ってきた結果、週末の宿題である日記を書かせると、めちゃくちゃ!しかも簡単な漢字も書けていない。あわてて2年生の漢字ドリルをやらせましたが、新しく学ぶ漢字の量も一気に増えて追いつかせるのが大変だった。 

▽Hさん

ローマ字の授業数が少ないけど、アルファベットから覚えなくてはならず、家でやらせないと必ずつまずくと思いました。辞書も使うようになり、文字が嫌いな息子は大苦戦。漫画でも何でもいいから活字に親しむ機会を低学年のうちにもっと作ればよかったと後悔の嵐です。

「わが家の対処法」は…

▽Mさん

私が夕飯の支度をしながら勉強を見ると忙しさのあまり適当にもなるし、イライラして喧嘩になりがち。8時前後に帰宅する夫に「家事分担のひとつと思って」と頼み、帰宅後すぐに30分、子どもの宿題をチェックしわからないところを教えてもらうようにした。夫は几帳面なので例外を作らず毎日続けることで、なんとか家庭学習の習慣がついてよかった。

▽Tさん

パートがない水曜日は「勉強の日」として、みっちり1時間、宿題で間違えた問題をやらせ、国語の文法専門のドリルを数ページやらせた。水曜日は友だちと公園で遊ぶことが多いけど、終わらないと行ってはいけないとして、集中させました。

▽Rさん

やっぱり基本は宿題だと思う。ただやるのではなく、まちがったところを直し、まちがいノートを作って書き出して、翌日には同じプリントをやり直す、このパターンを繰り返すのが大事。小3の担任はただ宿題を出すだけでなく、まちがいノートも提出→確認をしてくれたので自然と習慣がついてありがたかった。下の子では先生がそこまで見てはくれなかったので、親がその役目をした。ときおり、忙しくてできないこともあったが、その場合は週末の朝に必ず目を通して、1週間以上引き伸ばすことがないように気をつけた。

▽Hさん

共働き家庭で平日はほとんどワンオペ。勉強はアウトソーシングしかないな!と思って、小3から算数と国語を小学校の教科書準拠で教えてくれる補習塾に入れました。やはりプロに指導してもらうと解き方のコツを覚える。夫婦で先生をしている小さな個人塾で面倒見も良いので助かってます!

▽Sさん

ひたすら小2の算数・漢字ドリルをやらせた。とにかく1~2年生の基礎の基礎にさかのぼって力をつけるしかない。宿題は学童から帰宅後で私が担当、ドリルは朝パパが見守ってやらせた。

▽Eさん

本を読めば読解力がつくと言うけど、いくら本を購入しても読まない!短い文章の読解力がつくドリルをやらせつつ、夏休みは「本を6冊(1週間に1冊程度)読む」約束をして達成したらゲームを買う約束に。モノで釣るのはよくないと言われるが、けっきょく、鼻先にニンジン方式がいちばん効果的なのも事実! 

急がば回れ!今ならきっと「学力差は取り返せる」

小3になると、授業で学ぶことも一気に増え、内容じたいも次第に難度が上がります。また、低学年のうちはまだまだ親の言うことを聞いていたわが子も、小3から小4は反抗期まではいかなくても親との喧嘩も増えてくる時期です。親が口を酸っぱくして「勉強しなさい」と言っても、なかなかやらない子は難しくなってきます。

小3から小4は、いわゆるギャングエイジ(仲間や集団を作りたがり、友だちとの関係を重視する年代)で、仲間との行動を好みます。社会の中で成長する大切なステップですが、そのために勉強がおろそかになる場合も。さらに学童が終わる年齢で、ますます家庭学習の重みが増えます。「ほとんど何もやらない子」と「何かしら学習習慣を身に着けている子」で、「差」が出てきやすくなる時期でもあるのです。

    ◇   ◇

さて、上記の保護者たちが異口同音に言っていたことが2つあります。

「小3で、ちょっとずつわからなくなってくるから、親は学力が落ちてきていることに気づきづらい」
「気づいた時にはかなり学力差がついてしまっている!」

ということ。そして、もうひとつは

「それでもまだ間に合う。2年生の問題に戻ってやり直すとしても、まだまだ簡単なので何とか追いつける。でも高学年になって、わからないところまでさかのぼるとなると大変」

という声です。

よく言われるように、学年×10分+10分(小3なら最低でも30分、プラス10分で40分が目安)の学習時間を確保し、ただ「やらせる」のではなく、しっかり学習内容を親も把握したいところ。忙しい親にとっては、継続して学習を見守るのは難しいことだと思いますが、先輩ママ・パパたちの体験談を参考に、夫婦で分担して教える・週末を利用するなど工夫しながら、毎日少しずつ「勉強」を積み上げていけるとよいですね。

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