ゴミを漁っていた子猫
もみじちゃん(9歳・メス)は、2013年10月14日、大阪府に住む石田さんに保護された。
「東京に住んでいた頃、ドライブがてらに行った千葉県の海の近くにある公園で保護しました。もみじがゴミを漁っているところを見たのです。持っていたドーナッツを少しあげると勢いよく食べましたが、しばらくするとどこかへ行ってしまいました」
石田さんはなんとなく気になって、「お家に迎えられたらなぁ」と考えていた。その後、少し探してみたが見つからず。帰ろうと思って駐車場へ行くと、もみじちゃんが何処からともなく現れて、目の前でコロコロ転がりだした。
「車に乗せても平気だったら連れて帰ろうと思い、乗せてみたら当たり前のように落ち着いて座っていたのが印象的でした」
縁が繋がった
帰路、動物病院に寄って診てもらうと、生後約8カ月の女の子だった。
「比較的毛並みがきれいだったので、『最近捨てられたのではないか』と獣医さんは言っていました。迷子の可能性も考えましたが、保護した場所は民家からかなり離れていて迷い込むような場所ではなく、他にも野良猫がいたから置いて行かれたのでしょう」
石田さんは、積極的に猫を飼おうと思っていたわけではない。しかし、縁があればいつか出会う。その縁が繋がったと思っている。
家に着くと、怖がって隠れることもなく落ち着いていた。
「心配になるほどただただ寝ていていましたが、そんな姿を見て『安心してくれたんだな』と嬉しく思いました」
健康で、幸せでいて欲しい
保護してしばらくすると発情期に入り、昼夜関係なくずっと鳴き続けた。獣医さんから、「少し落ち着いてから避妊手術しましょう」と勧められて予定を組んだ。
「それまでどうしてあげることもできなくて切なかったです。でも、避妊手術をしたら解決しました」
もみじちゃんは我慢強い性格のようで、ストレスを感じることがあっても平気なふりで無理をする。
「長時間の来客でも隠れたりしないで人間の側に居るのですが、次の日に血便が出ることがあります。無理しなくても良いのに…と思うのですが。原因が分かればいいのですが、なぜ我慢しているのかは謎です」
石田さんは、もみじちゃんにはとにかく健康で、幸せでいて欲しい。そのために出来る限りのことをしたいと思っている。
「もみじはそう思わせてくれる何よりも大切な存在です。そして私を幸せにしてくれる存在です」