昨年全国で発生したストーカー事案のうち、被害者と加害者の関係について「勤務先同僚・職場関係」が2番目に多かったことが警察庁のまとめで分かりました。元配偶者や元交際相手らによる事案はやや減少傾向にある一方で「勤務先同僚-」は3年連続で増加しています。
警察庁が今月発表した統計によりますと、ストーカー事案の相談件数は5年連続減少(約1万9千件)しているものの、禁止命令などに至った件数は過去最多の1744件。取り締まりを強化している傾向が見て取れます。
被害者と加害者の関係については、元交際相手などが約7100件で全体の4割近くと最多。「勤務先同僚・職場関係」が約2500件で、おととし以来少しずつ増加しています。次いで知人友人▷面識なし▷配偶者という順になりました。これ以外にも芸能人とファン、医者と患者、従業員と客などの事例がありました。
ストーカー規制法では、尾行や待ち伏せ▷面会の要求▷何度も電話をかけてくる▷監視していると告げる―といった行為を「つきまとい等」と定め、警察が警告や禁止命令を出すことができます。これが反復して行われた場合に「ストーカー行為」となり、2年以下の懲役または200万円以下の罰金(禁止命令等に従わなかった場合)が課せられます。
職場同僚に関する事案では、昨年4月、兵庫県内のバス運転手(60代男)が同僚の40代女性に対するストーカー規制法違反容疑で逮捕される事案がありました。女性の仕事中の姿を隠し撮りした写真とともに「見てるよ」といったメッセージをLINEで執拗に送信した疑いです。またおととし12月には、同県内の介護士(40代男)がストーカー規制法違反などの疑いで逮捕。同僚の30代女性に交際を求めたものの断られたといい、女性の顔写真に別の女性の裸の写真を合成し、封筒に入れて女性の車のワイパーに挟んだ疑いなどが持たれました。
警察庁は「ストーカーや配偶者からの恋愛感情のもつれに起因するトラブルは、早期の対応が決め手。できる限りすみやかに相談してほしい」としています。