「JR東日本通勤電車に激似」「ダイヤに通勤急行・通勤特急」 首都圏色の濃い関西大手私鉄はここ!

新田 浩之 新田 浩之

関西大手私鉄はキャラが濃いことで知られていますが、中には関東色が濃い会社もあります。どのあたりに「関東」が隠されているのでしょうか。

JR東日本通勤電車に激似の車両を持つ南海

車両面ですと、南海が「関東色が濃い」といえます。南海の主力形式である8000系(2代目)の材料や機器の一部はJR東日本の通勤電車E231系と同じものを使用しています。

E231系は製造数が多く、現在では首都圏の通勤・通学を支える主力車両として活躍しています。また同車は汎用性が高く、同車の材料や機器は他車両に流用しやすいため、比較的安価に入手できます。南海はこのことを利用し、8000系の製造にあたりコスト削減を実現しました。

外観では窓周りにE231系との共通点を見出すことができます。また、内装もよく似ています。椅子の形状や座席端の仕切りを見ると、まるで東京にいるような感覚に陥るのではないでしょうか。

もちろん全くE231系と同じということではなく、前面デザインや塗装は南海1000系の雰囲気を受け継いでいます。

 

一方、2015年登場の8300系は外観は8000系と似ていますが、内装はまったく異なる仕様となっています。乗車時に内装を見比べながら、設計思想をあれこれ想像するのもおもしろいのではないでしょうか。

 ダイヤは「通勤〇〇」や「準〇〇」が大好きな阪急

ダイヤから見ると阪急が最も「関東色が濃い」といえます。阪急では関西に多い「区間」と付く種別がありません。その代わり「通勤急行」や「通勤特急」といった「通勤」を付ける傾向にあります。

現在では神戸本線・宝塚本線・京都本線に通勤特急が設定されていますが、京都本線では昭和の時代から通勤特急が存在します。

また昨年12月のダイヤ改正では京都本線、神戸本線に快速急行に代わる新たな種別「準特急」が登場。「準特急」は2022年3月まで京王に存在した種別です。「準特急」の登場により、より関東色が濃くなりました。

それでは阪急はなぜ「区間」と付く種別を採用しないのでしょうか。この問いに対する回答は難しいのですが、一つには日中時間帯に走る種別が比較的少なく、純粋に通勤・通学時に運行する種別が多いことが背景にあると考えられます。このあたりは沿線環境や駅数と関連性があります。

この記事では関東色の濃い関西大手私鉄を考えてみましたが、逆に関西色の濃い関東大手私鉄はどこになるのでしょうか。普段とは違う視点で鉄道会社を観察すると、意外な側面が見えてくるかもしれませんよ。

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