「僕すごい、また100点を超えてしまった」7歳息子が病院で高得点をめざす「頑張り点数」とは? 独自の解釈がほほえましすぎた

太田 真弓 太田 真弓

病院で会計時にもらう領収書や診療明細書。7歳の息子くんが独自の見方をしていることを紹介したミヤコさん(@sideMiyako)のツイートに注目が集まりました。

「うちの子、病院でもらう領収書の『医療報酬点数』を“ハードな治療に耐えるほど高得点になる患者さんの頑張り点数”だと思っているらしく『僕すごい、また100点を超えてしまった…(-∀-`)』とか言うからたいへん微笑ましいし都合が良いことこの上ないので、もう数年は勘違いしといてほしい。」

このコメントとともに投稿された1枚の歯科外来領収書の写真には「初・再診料」の部分に264点と記載が。確かに!これはなかなかの高得点!!

「ある意味あってるわ 息子くんかわいい!がんばれ!」「対戦お願いします!」といった温かいリプライも届いており、なんとも微笑ましい息子くんの解釈です。

ミヤコさんにお話を伺ってみました。

息子くんの「ちょっ痛い!!点数出てるかな!?」に「いまぐんぐん上がってるよ!」と鼓舞

――「頑張り点数」、観点がユニークです。どういった経緯から?

子どもが「頑張り点数」論に至ったのはここ最近です。

まず、1月末に皮膚科に1回目のイボ治療に行きました。液体窒素で患部を焼く治療で病変部のほとんどを角質化させました。会計後、財布をしまうため領収書を子どもに持ってもらっていたら「〇(点数失念)点って書いてある」と。そこで私が「お、習ってないのに“点”読めるの?」と聞くと「読めるよー!ぼく〇点も取ったんだ!(ドヤ顔)」と話しまして。おそらくこの時に診療報酬点数=自分の得点と認識したのではないかと思います。

――漢字が読めたことから!なるほど。

その後、2月に入って歯科へ歯肉弁治療に行きました。歯科へ行く前に高熱が出るも風邪症状はなく、病院での検査結果も陰性で。歯磨き時に痛みを訴えていたので確認すると歯肉弁ができていました。麻酔して切除する処置をし、会計後に領収書をまじまじと見て「264点!」と点数を読み上げてまして。「おっ今回も高いねぇ」と声をかけると「治療、めっちゃ我慢したもん!また100点を超えてしまった…(ドヤ顔)」と話していました。

この時点でおそらく診療報酬点数=頑張り点数だと確信したのではないかと。ハードめの治療をしていた、という偶然が重なったのもあり、自発的に勘違いしたと思われます。

そして再度、皮膚科へイボ治療に行ったのですが2回目の液体窒素治療を嫌がってしまい…。その時は、我が子の勘違いを利用して治療を誘導しました。治療後はやはり点数を確認してドヤ顔でした。

――2回目のイボ治療、嫌がったのですね。

お医者さんは1回目の治療時に角質化させた部分を削り、皮膚深部をルーペで観察されていました。そこにほんの僅かに残っていた病変部を念のためにもう一度焼く…という治療工程が必要になって。お医者さんが「うーん、念のためもう1回焼いておこうか」と提案したのですが、息子は「ヤダ」と拒否。そこで私が「また高得点出てしまうかもしれんね」と言うと「やる!!!」とすぐに納得しました。

痛みに耐えている間は「ああああああ!ちょっ痛い!!出てるかな!?点数出てるかな!?」と話すので「出てるよ!きっといまぐんぐん上がってるよ!ばい菌もどんどん死んでるよ!」「ああああああああ!」と、まるで出産時にありがちな騒がしさでした。

――治療、頑張ったのですね。お医者さんや看護師さんはどんなご様子で?

一瞬吹き出しはしたもののすぐに切り替え、医療用ルーペを私に覗かせて“魚の目とイボの違い”を説明してくれたり、「はーい今からジュッていくよー」「すごいすごい我慢してるねー」と医師としての声掛けに徹していました。さすがプロだとお見それしました…が、終始笑っていました。より近くにいた看護師さんは子どもが痛みに耐えている間、「おー!きっとすごい点数出るよー!」と私に相乗りして声掛けしてくれていたと記憶しています。

――ハードな治療を施しながらも和やかな診察室が想像できます。その後イボは?

早期発見ですぐ治療を開始したため、そもそもの患部が非常に小さくて。2回目治療時に「これで完治だと思うので治療終了です。経過観察や再診は必要ありません」と説明されたので、私も息子も「ひとまずは終わった」という気持ちでおります。

――「頑張り点数」、今後も活用を?

子ども本人がはじめた勘違いとはいえ、それを親が積極的に使っていくのはやや気が引けるため、基本的には「家でしっかり治療手順と必要性を説明して、納得してもらってから治療」というスタンスでいくつもりです。

実際、2月の歯肉弁切除に関しては「子どもの口内を確認→歯肉弁と素人予想→一般的な治療方法をネットで検索し、それを子どもが理解しやすいようにゲーム用語を使って説明」という方法で口説き落とし、頑張り点数をエサにはしていません。

ただ、子どもへの説明にはとかく時間がかかります。治療の土壇場で尻込みした子どもと長々押し問答をしては病院に申し訳がないので、そういう時は切り札的に使おうと思っています。

◇    ◇

息子くん、短期間の間にイボ治療、発熱、歯科処置と頑張って乗り越え、高得点も叩き出し、自信もついたのではないでしょうか。

お子さんを病院に連れていく親御さんたちにとって、いかにスムーズに通院と治療を終えられるかは常に重要課題。ミヤコさんのように通院前に予想される治療内容を説明しながら、恐怖心を少しでも拭っておくことはとても大切です。それでもきっと嫌がるものは嫌だし、痛いものは痛い!そんな時、励ましとなる言葉やちょっとしたご褒美などは効果的かもしれませんね。「頑張り点数」、とても参考になりました。

ちなみにこの「頑張り点数」、本来は「診療報酬点数」と呼ばれるものであり、厚生労働大臣が定めた医療行為1つひとつの点数を足し合わせたもののこと。領収書や診療明細書に記載されており、医療行為ごとに決められた点数を基に「1点=10円」で計算。算出した合計金額から自己負担分を患者さんが、残りを加入している医療保険者が医療機関に支払うものです。

初診料、再診料、診察、検査、処置、画像診断、処方箋料(その他)、乳幼児加算などそれぞれに点数があり、この点数は通常2年に1度、厚生労働省による「診療報酬改定」により見直しが行われています。例えば、2023年3月現在、医科であれば初診料288点、再診料73点、歯科であれば初診料264点などと定められています。

■ミヤコさんTwitter https://twitter.com/sideMiyako

<参考>
■なるほど!診療報酬点数(日本医師会ホームページ) https://www.med.or.jp/people/what/sh/
■診療報酬・薬価・添付文書検索のしろぼんねっと https://shirobon.net/

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