「この映画、コメディだったのか!」出演作の試写見た宮澤佐江、ビックリ&大爆笑 「公開までかなりドキドキ」

石井 隼人 石井 隼人
異色作で開花した宮澤佐江(撮影:石井隼人)
異色作で開花した宮澤佐江(撮影:石井隼人)

これが俗にいう“ワールド全開”だ。3月17日公開の映画『犬、回転して、逃げる』は、愛犬と暮らす泥棒が、世界の終末を願う女性警察官の自宅に泥棒に入ってしまったことから巻き起こるサスペンス風味のコメディ。コメディといっても、とぼけた展開やシュール過ぎる事象が各所に詰め込まれた摩訶不思議な不条理喜劇とした方が正確かもしれない。

メガホンを取ったのは、これが長編映画監督デビュー作となる西垣匡基。人気劇団ヨーロッパ企画出身というバックグラウンドに納得する。そんな西垣監督の“ワールド”具現化に一役買ったのが、女優の宮澤佐江(32)だ。

シュールコメディエンヌの誕生か!?

宮澤が演じたのは、1日でも早く世界が終わることを願う女性警察官の眉村。道端で謎めいたステップを踏んだり、おすまし顔で常識からズレたことをしたり。見ているこちらが「やっていてよく笑わないな」と思うことをシリアスな表情で演じたりする。その異様な真剣さが本作独自の笑いを生み出す起爆剤になっているのは間違いない。

そもそも演じた当人がコメディ映画だとは思っていなかったらしい。「脚本を読んだときは西垣監督の頭の中に広がるワールドが凄まじすぎて、完成形がまったく想像できませんでした。撮影中はコメディを撮っているという感覚はゼロ。完成した作品を見て初めて『こんなにもコメディだったのか!』と思ったくらいです」と驚いている。

持ち前の勘の良さを発揮

撮影に臨むにあたり参考にしたのは、ミニシアター作品でありながら興収16億円という記録を叩きだしたフランス映画『アメリ』(2001)。この作品から「あえて自分からは笑いを狙いにいかないこと」を吸収した結果、「撮影現場でのリハーサルで自分の芝居を西垣監督に観ていただいたところOKをいただきました。相手が自分に何を求めているのか、その雰囲気を掴むのは得意な方なので、それが丁度ハマりました」と持ち前の勘の良さも役立った。

とはいえ独特な世界観を持つ作風。「演じながらも『これで本当にいいのかな?』と手探りになるところはありました。アドリブがそのまま本編に使用されているところもあり、驚いています。手応えは…今も『これで本当にいいのかな?』と撮影時と変わりません。でも監督がOKを出してくれたからOKだろうと、西垣監督のヴィジョンを信じています。公開までかなりドキドキ」といまだかつてない心境にある。

久々の映画撮影での充実

近年は舞台出演が多かったこともあり、映画の撮影は久しぶりだった。「カメラを前にして本格的に芝居をするのは久しぶりで緊張しましたが、『演じるって楽しい!』と思わせてくれた撮影期間でもありました。西垣組には和気あいあいとした空気が流れていて、一体感が素晴らしい。それは演者としてありがたく、心地の良いもの。だからこそ色々なチャレンジが出来たのだと思います」と充実した表情。

泥棒の木梨を演じた映画初主演の長妻怜央(7ORDER)の“ワールド全開”の初々しい立ち振る舞いにも助けられたという。「長妻君は女性に喋り慣れていないそうで、とにかくシャイ。映画初主演というプレッシャーもあったのか、ずっと『ああ…緊張する』とつぶやいていました。彼はシャイでありながら、一生懸命に周囲とコミュニケーションをとろうとする人。そんな気配りのおかげで楽しく撮影することが出来ました」と感謝している。

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