年齢詐称の疑い!?こんな80歳、存在するわけがない。
あのジャッキー・チェンも「大スター」と仰ぎ見る。“和製ドラゴン”こと倉田保昭(80)。企画・主演した映画『夢物語 The Living Dragon』が7月17日に公開される。
3つのエピソードからなるアクションオムニバス。日本のヒーロー特撮作品を牽引する坂本浩一、『るろうに剣心』の谷垣健治、『キングダム』の下村勇二ら日本が誇るアクション監督がそれぞれ演出を担当した。3名とも倉田アクションクラブから世界に羽ばたいた逸材だ。
倉田アクションは真剣勝負
全てのエピソードにおいて、アクション俳優歴60年の倉田によるスタントなしの壮絶ガチンコアクションが炸裂。殴る蹴るは朝飯前で、全力疾走、ダイナミック転倒、孫ほど年の離れた複数人の若者を相手にスピーディーかつ激烈なバトルを繰り広げる。
瑞々しい動きの一つ一つは、間違いなく傘寿のそれではない。倉田が一躍名を挙げた1970年代のカンフー映画で見せた躍動が、そっくりそのままある。
「一口にアクションと言っても、流派のように人によってそれぞれ違います。僕がやるんだから倉田アクションでなければダメ。だからそれを知り尽くしている彼ら3人に監督をお願いしました。ただみんな世界を股にかけて活躍しているので忙しい。スケジュール調整が大変でした」
本編を拝見して驚嘆した身としては、スケジュール調整云々よりも壮絶アクションの方が大変だと思うのだが…。
「僕が追求するアクションは実技7の芝居3。合言葉は“真剣勝負”です。いくら演技が上手くとも、アクションにおいてはそこでカバーするには限界がある。本気では殴りませんが、実際に当てています」と朗らかに教えてくれた。
第1話『追躡』(監督:坂本浩一)からフルスロットルだ。廃工場を舞台に大立ち回り。スピードが尋常ではない。
「撮影は去年の夏。気温は40度を超えていました。さすがの僕も『熱中症も心配だから若い人に吹き替えてもらおうかなあ』と言ったら、坂本監督から『ダメです!倉田先生がやってください』と断られてガックリしました」
いえいえ、ガックリしていないと思う。絶対に。
「さすがに無理だって…と思ってやったら全然疲れず熱中症にもならなかった。だったらもっとやれば良かったなあと思いました」
ほら、やっぱり!
もはや生き様
第3話『不思議の国のドラゴン』(谷垣健治監督)のラストバトルも強烈。もちろんスタントなし。
「顔面から転んでチンピラに足を引っ張られて地面を引きずり回されるところも私自身がやっています。これだけやって痛くない場所がないなんてまずありえません。肩とか膝とか、どこかは骨折していたと思います。でも医者には行っていません。放っておいてもそのうちに治りますから」
これが80歳との会話なのか。
「アクションのリハーサルは本番前に少しだけ確認して、すぐに本番。でも殺陣を確認しているところは他人には絶対に見せません。これは香港時代からのルール。いきなりカメラの前でやって見せて現場全体を驚かせたいから。その場にいる人を驚かせる事が出来ないなら、映画を観てくれる観客を驚かすことなど出来ません」
アクションというか、もはや生き様だ。
「妻や娘からは『もう十分ではないか』と心配されているので、私自身、製作するのは最後かなと思っています。80歳にしては全部を出し切ったと思うし、悔いもありません」
しみじみした空気の中、写真撮影のために拳を見せてもらおうとしたら…人型のサンドバックをいきなりタコ殴りし始めた。満面の笑みで。
やはり倉田は80歳ではないし、引退など眼中になさそうだ。