最高2億円!?富裕層向け「ふるさと納税」って何がもらえるの? 2年で3件の申し込みも…自治体担当者に聞いた

小森 有喜 小森 有喜

日本人の平均年収で計算した「ふるさと納税」で控除を受けられる上限額は、5万円程度。年収が上がれば限度額も増え、受け取れる返礼品のグレードも上がっていきます。そんな返礼品の中には数千万、数億円というものも。はたして寄付する人はいるのか、各自治体の担当者に聞きました。なお、寄付額に対する還元率は上限30%と定められているため、それぞれの金額の0.3倍程度が通常価格の目安となります。

【1200万円】A5ランク博多和牛1頭(福岡県川崎町)

800〜900kg程度で、好みのカット方法で提供可能。希望があれば、生きたままで引き渡されます。3年前から始めたもので、これまでに1件寄付実績があるということです。開始当初は返礼品の中で最高額だったとか。担当者によると、当時ふるさと納税の広告にあてる予算がなく、効率的にPRする方法として思いついたとのこと。「高いものを出せば目立つし、サイトで価格順で表示したら1番上に来る」というアイデアが高額寄付につながりました。

 【2400万円】キャンピングトレーラー(奈良県宇陀市)

けん引免許がなくても、普通車でけん引することのできるキャンピングトレーラー「X-cabin 300」。オプションで車内昇降テーブル、車体のボディーコーティングなども可能です。なんとこちら、2020年秋以降で3件の寄付があったそうです。担当者は「宇陀市を知ってもらうきっかけにしようと始めた取り組み。こんなに寄付してもらえると思っていなかった」と喜びます。

 【3333万円】ゴルフコース1日貸切(静岡県御殿場市)

静岡県御殿場市のゴルフクラブ「太平洋クラブ御殿場コース」を貸し切りできる権利。イベントをする場合は、同市の親善大使であるプロゴルファーが参加してサポートしてくれます。こちらは今のところ寄付者が現れていません。ゴルフ好きの方はぜひ。

 【6000万円】オーダーメイドの鳥居(奈良県宇陀市)

オーダーメイドで鋼製の大鳥居を制作してもらえます。高さ7メートルほどが標準サイズだそう。見た目は古くからある木製の鳥居と変わらない一方、格段に強度や耐久性のあるのが鋼製鳥居の魅力だそうです。こちらもいまだ寄付者はいません。

 【1億1千万円】スポーツカー「MCS ROADSTAR 7」(静岡県御殿場市)

「ケータハム7」のカスタマイズ車。レーシングカーをはじめとする車両の設計を手掛ける地元企業が、ベースとなる車体に外装パーツなどを施すそうです。寄付実績はありませんが、夢がありますね。

 【1億5千万円】引退競走馬の余生支援(高知県須崎市)

引退した競走馬が余生を過ごす「土佐黒潮牧場」で、馬たちの飼育費などにあてる運営費をサポートすることができます。こちらの高額なコースはまだ申し込みがありませんが、100万円コースには先月末までに6件寄付があったそう。1万円コースなら329件、2万円でも232件(22年度の2月末時点)と利用者はなかなか多く、競馬や動物愛護に興味がある方はぜひ。

 【2億円】多目的防災シェルター「AEGIS」モデルA6(群馬県伊勢崎市)

現時点の最高額がこちらの防災シェルターです。完全防水構造で、水害・土砂崩れといった自然災害や有事の際に命や財産を守ります。非常時だけではなく、書斎や金庫、貴重品の保管庫、ワインセラー、データサーバー室といった普段使いもできるということです。安価なもので6500万円のコースも。ちなみに、控除上限額2億円の人の年収は単純計算で約45億円。現時点で申し込みはないということですが、今後希望する富豪は現れるのでしょうか。

 今回取り上げたものはほんの一部。ふるさと納税のサイトで高額順に検索すれば多彩な返礼品があります。高額納税者の方も興味本位の方も、ぜひ探してみてください。

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