年度が替わるタイミングで、髪を切る人は多いのではないでしょうか。髪型を整えると、気持ちも引き締まりますよね。子どもの進学や進級に合わせて散髪する家庭もあるでしょう。そこで気になるのが、子どもの美容院の通いどきです。乳幼児期は家庭で髪を切っていても、小学生以降になると美容院に行く子どもが増えていきます。友だちの話を聞いた子どもが、自分から美容院に行きたがるケースもあるのではないでしょうか。私の友人・Mさん（神奈川県在住、30代、パート）も、小学生の息子の散髪をそろそろ美容院にするべきか悩んでいました。
電動バリカンでカットしてきたけれど
Mさんには、小学2年生と4歳の息子がいます。今まで息子たちの散髪はMさんがしてきました。2人とも短めの髪が好みのようなので、定期的に電動バリカンで散髪していたのです。器用な作業に自信がないMさんでも、電動バリカンを使えば簡単に子どもの髪をカットできます。
Mさんはいつも息子2人を同じタイミングで散髪していました。先に「お手本だよ」と長男をカットすると、次男も見習って大人しく座ってくれるので、大した手間もかかりません。
その日も、Mさんはいつも通り2人の息子を順番にカットしました。すると、次の日小学校から帰宅した長男が、こんなことを言ってきたのです。
「友だちから髪切ったねって言われたから、お母さんが切ってくれたって言ったの。そうしたら、友だちに『美容院行かないの？』て驚かれちゃった。友だちは美容院で髪を切ってるんだって」
憮然とした表情でMさんに報告する長男。どうやら母親の散髪を友だちにからかわれたようです。Mさんは「おうちで髪を切るお友だちもいると思うよ」と、長男を慰めましたが「次は美容院で切りたい！」と言われてしまいました。
ショッピングモールなどにある美容院を見ると、確かに長男と同じくらいの子どもも来ているようです。もっと小さな子どもを見かける日もあります。「次は3年生になるし、そろそろ美容院デビューのタイミングかな」と、Mさんは思いました。
しかし、「節約のために子どもの髪は家で切りたい！」というのがMさんの本音です。難しい髪型を求めていないので、自分が電動バリカンで散髪しても、仕上がりに美容院と大きな差を感じません。それでも、美容院に行きたがる子どもの意思を尊重するべきなのでしょうか。
いつからが子どもの通いどき？…美容師に聞いた
悩んだMさんから私は相談を受けました。私には中学生の娘と小学生の息子がいますが、娘の美容院デビューは2歳です。七五三前に初めて美容院に連れていきました。一方、息子が2歳のときはじっと座っているのが難しかったため、美容院デビューは5歳です。それまではMさんと同じように、電動バリカンで短くカットしていました。不器用でめんどくさがり屋の私は、子どもの散髪を早々に外注したかたちです。
「家庭によって、子どもが美容院に行きはじめる時期はいろいろだと思うよ。高学年でも家庭で切っている話は聞くし。Mさん散髪上手だから、無理に美容院に行かなくてもいいんじゃない？」
私がMさんにそう伝えると、少しほっとしたような表情を見せてくれました。とはいえ、一般的にいつから美容院に通うのか、やはり気になるようです。実際のところ、子どもの美容院の通いどきはいつなのでしょうか。愛知県でフリーランスの美容師として活躍している吉田洸貴さんにインタビューしてみました。
◇ ◇
ーいつから美容院に行き始めた方がいいのでしょうか？
美容院に通い始めるタイミングは3つあると思います。単に年齢で決めるのではなく、タイミングに当てはまったら美容院に行くかを決めた方がいいと思います。
一つ目は親が明確にこの髪型がしたい！と思ったとき。子どもが小さくても明確にこんな髪型がしたい！というものがあれば美容師さんにお願いした方がいいでしょう。逆に特に要望がなく、「短くしたい」、「邪魔にならないようにしたい」だけなら、おうちでカットしてもいいと思います。
二つ目は子どもにヘアスタイルの要望がでたとき。要望が出始めたということはおしゃれに目覚めたということ。相当器用な人でなければ、要望通りにカットすることはできませんし、要望通りにならなかったら子どものトラウマにもなりかねません。
三つ目は中学校に入るとき。中学校に入ると校則がある学校も多く、規定に合ったヘアスタイルにしなくてはいけなくなります。そうなるとおうちでのカットで規定通りにうまく仕上げることは難しいです。
また、周りの目も気にするような年頃でもあります。このエピソードのように「美容院行ってないの？」と会話になるかもしれません。
家庭によって、美容院に通わせるタイミングは様々で良いと思いますが、ライフスタイルや本人の希望に合わせて頃合いを測ってください。
ただ、美容院でカットするのも安いお金ではありませんし、もし毎月通うなんてなったらそれなりにお金もかかります。
・半年に1回のスパンで思いっきり短くする
・3カ月に1回美容院に行って重たくなってきたと感じたら髪をすいてあげる
といったようなかたちで、美容院に行く回数を少なくすることもできます。
