オープン2年連続でミシュラン一つ星、さらにグリーンスターも獲得した「Noeud.TOKYO(ヌー.トウキョウ)」の姉妹店「Noeud.×THE CHEF’S(ヌーシェフズ)」が大阪・南船場の「KOKOHOTEL大阪」内にオープンし、注目を集めている。永田町店よりリーズナブルだが、サステナブルな取り組みは同様。メニュー表に料理名はなく、食材と産地のみ記載しているのも大きな特徴だ。果たして、自然派フレンチが少ない大阪で根づくのだろうか。
地産地消にこだわった本格的なフレンチ料理店が大阪のど真ん中にオープンした。とことんサステナブルに特化しながら味も極上とあって東京店はオープン2年連続で、あのミシュラン一つ星を獲得。さらに持続可能な活動に積極的に貢献しているレストランに光を当てるグリーンスターとしても認められた。
東京店があるのは永田町。ここ、大阪店もそのシェフである中塚直人氏が監修の元、豊かな味わいのフレンチを楽しみことができる。大切にしているのは自然に逆らわず、地球環境と人間に優しい料理を提供することだ。
この道19年のキャリアがある大阪店の湊一起シェフによると「コース料理の内容は無農薬、有機の食材が主体。海の資源を守るため、決まった種類の魚を使用することなく、旬のものを用意しています」とのこと。さらに肉料理は「自然な環境で生産者が大切に育てたもの、それと鹿肉などジビエ料理を出すことで、害獣の駆除にも役立とうと思っています」と言う。
メニューはコース料理のみ。「ディナーコース」(11000円)と「期間限定テイスティングディナーコース」(7700円、ともに税込サ別)にの2つに分かれているが、永田町店より少しリーズナブルなのはうれしいかぎりだ。
特徴としては、まず淡路島など兵庫県内や関西近郊の契約農家から食材を仕入れていること。その際、C削減を考え、なるべく輸送距離の短い方を優先する。旬の食材に合わせて毎日変わる一期一会の料理と言う点もセールスポイント。さらに、ユニークなのは、使用する食材をドドーンとオープンキッチンの前に並べ、見た目で楽しんでもらうという仕掛けだ。メニューはQRコードを使うが、料理名は乗せずに使う食材と産地のみを記載。つまり「料理名のないレストラン」でもあり、オープンキッチンで見た素材がどのように料理されるか空想する楽しみもある。
例えば、この日いただいたディナーコースは全10皿。アミューズ盛り合わせから始まり、前菜2品~野菜料理~お魚料理~お口直しへ。そこから、メーンの肉料理に進み、デザート2品~小菓子と言う流れ。どれもこれもおいしくて、お腹がパンパンになったのは言うまでもなく、自然に感謝し、自分の体にもいいものをとりこんだ満足感もあった。
ここまで食材にこだわっていることもあり、週4日営業の完全予約制。なお、3日営業日前までに相談すれば、ベジタリアン料理やヴィーガン料理にも対応可能とのことだ。
これからますます増えて行きそうなサステナブルな料理店。湊シェフは「大阪には、サステナブルな取り組みをしているフレンチのレストランがまだまだ少ない。わたしたちの責任は重大です」」と話していたが、店内の雰囲気も良く、さすがはミシュラン一つ星とグリーンスターをダブルで獲得している店の姉妹店だけのことはある。近い将来、しっかりと大阪人の心もつかみそうだ。
◇「Noeud.×THE CHEF’S(ヌーシェフズ)」
大阪市中央区南船場3-3-17、KOKOHOTEL大阪心斎橋1階
営業時間=水・木・金・土18:00ドアオープン、18:30スタート、定休日=日曜・月曜・火曜
電話=06(4708)5830
https://noeud.osaka.tagaya.co.jp/