「商品化して」「なんの香り?」客から1年間続いたリクエスト 百貨店の新しい試みから生まれた意外なヒット

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今や高級ホテルのロビーで「いい香り」を演出するのも珍しくなくなった昨今。同じ香りをかげば、そのときのラグジュアリーな体験がよみがえってくるため、お土産として購入する人も。そんななかで、百貨店の香りが話題となって発売したところ完売するほど人気に。担当者でさえも、想定外だった反応について話を聞きました。

その百貨店とは「阪神梅田本店」(大阪市北区)。リニューアルした2021年10月より隣の阪急うめだ本店やJR大阪駅からもアクセスが良い2階の入り口付近でのみ、「香りの演出」をおこなっているのです。

ただ公には公表しておらず、「いい香りなんですが何の匂いですか」と店員に問い合わせが連日届き、「商品化してください」「あったら買います」という声が続出したのです。そこで、当初は商品化を予定していなかったのですが、1年間も継続してリクエストがあったということは、ある程度の購入者が見込めるのでは?と販売を決めたそうです。

2週間で売り切れれば…意外な結果に

しかし、部屋ににおいを拡散するためのディフューザーを作るために使用する天然香料の値段をおさえるのが難しく1本200mlで1万3970円という決して気軽ではない価格に。そこで、あえて300本限定にして、12月14日に『SCENT OF THE ONE“TERRACE”』(セント オブ ザ ワン テラス)という名で発売。すると開店時から客が訪れて「待ってました!」「ついにこの香りが買えるのですね」と喜びの声とともに購入していったといいます。

担当者は2週間で売り切れれば上々と想定していたところ、当日の18時には完売。ただ、このいい香りに気づいている人がそんなに多いとは客側も思ってはおらず、「次の予定は?」「定番化して欲しい」「買えなくて悔しい」と切実に希望する声が。ただ購入できずとも、「いい香り!って思っていた方が多いのは嬉しかった」と、同じ思いを共有していた人がそれだけ多かったという事実に満足する人もいました。そこで、急遽追加販売するためのミーティングがおこなわれ、追加販売が決まりました。

なぜ百貨店を香らせたのか?

コスメフロアや食品フロアなど、陳列される商品によってフロアの香りが楽しめたりもする百貨店ですが、なぜあえて香らせたのでしょうか? 

「毎日が幸せになる百貨店」をお客さまに五感で体験していだく手法の一つとして『香り』の演出を企画しました。「阪神百貨店といえばこの香り!」とお客さまに感じ、イメージしていただくのはもちろんですが、毎日勤務している私たち従業員自身も幸せになれるような居心地の良い香りでなければ意味がないと感じ、店頭スタッフからも協力をて、現在の香りになりました」と担当者。

その香りとは、爽やかさと甘さが特徴的なベルガモット(ミカン科)と、スッキリしたミントをメインに、ホワイトムスク、ジャスミン、イチジクなどの精油がイタリアの調香師によって調合されたもの。「きらめくみずみずしい花々が満ち溢れた美しい朝の庭園にいるかのような世界」をイメージし、気持ちよく部屋で過ごすのにピッタリとなっています。

「今回の取り組みは、お客様から予想以上の反響もあり企画して大変うれしく思っております。今後も、わざわざ訪れていただけるからこその体験・体感を提供していけるように取り組んでいきたい」とのこと。

再販では、販売日当日に来店できない人のためにも1月25日より予約を開始し、2月22日に500個限定で販売。また、香りの持続は3〜4カ月のため、前回購入した人が継続して使用できるようにリフィル(200ml・1万1495円)も150個販売されます。場所は、阪神梅田本店の2階の化粧品売り場「C.CUBE」にて。

■阪神梅田本店 https://www.hanshin-dept.jp/hshonten/

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