再開発事業により失われる"聖地"がSNS上で大きな注目を集めている。
きっかけになったのは「仙台の人から衝撃的なことを聞きました。ここ、取り壊すそうです。」というfujiyamaさん(@fuji_express)の画像投稿。
木々に囲まれたコンクリート製の小さなステージは仙台市の勾当台公園にある野外音楽堂。仙台市のさまざまなイベントの舞台になったランドマークであるとともに、アニメファンにとっては仙台を舞台にアイドルを目指す7人の少女たちが抱える問題や仲間と向き合い、力を合わせて一歩ずつ夢に近づいていくサクセスストーリーを描くの青春群像劇のアニメ「Wake Up, Girls!」、同名の声優ユニットの聖地でもある。その場所が今、仙台市が推進する勾当台公園再整備事業により失われようとしているのだ。
fujiyamaさんの投稿に対し、SNSユーザー達からは
「1度は行ってみたかった 推しが輝いたステージ...」
「あのアニメの聖地でもあり、七夕まつり夕涼みコンサート、ジャズフェス、よさこい祭りなど、市民広場は通年イベントで活躍してましたが、残念ではありますが老朽化で改装は致し方がないですね」
「学生時代何かのイベントに出演演奏したことのある思い出のステージ…建て直しとはいえ寂しいです」
「WUGの聖地が1つ減るんですね」
など数々の惜しむ声、悲しみの声が寄せられている。
投稿者に聞いた
fujiyamaさんに話を聞いた。
ーーツイートしたのは
「私にとっての勾当台公園の音楽堂は、大好きなアニメ「Wake Up,Girls!」(以下「WUG」)に登場した"聖地"であります。WUGというアニメは仙台を舞台にしたアイドルアニメで、そのWUGが数多の困難を乗り越えて勾当台公園の舞台に立ってデビューした、という展開でした」
「実際にWUGの声優で結成された同名のユニットである「Wake UP,Girls!」もここでライブを行ったこともあるため、WUGのファン…通称「ワグナー」にとっては特別な場所、まさに聖地となっているわけです。WUGは、他のアイドルアニメと違い、新人の声優でユニットを組み、アニメと声優をリンクさせて盛り上げていくという少し変わったコンセプトを持つ企画となります。アニメとしても声優ユニットとしても仙台に重きを置いて活躍したため、ワグナーにとっては仙台は第2の故郷であり、その仙台の中でもっともシンボリックな存在が勾当台公園の音楽堂なのです」
ーー取り壊しを知った際のご感想をお聞かせください。
「聖地がなくなるというショックでした。ただ、仙台市の防災機能を高めるという意図をもった都市再開発であること、音楽堂自体の老朽化もあるので、残念である反面、それが仙台市の未来に繋がるのであればうれしいことでもあります」
「また、今の音楽堂は無くなりますが、新しい音楽堂が建設されるようですので、未来の人たちがそこをまた新たな聖地として、思い出の地として、愛される存在になってほしいと思ってます」
ーー投稿の反響についてご感想をお聞かせください。
「最初のうちは、私と同じくWUGのファンであるワグナーからの反応が多かったですが、拡散されるにつれ、他の作品名も上がってきており、様々なドラマの舞台として登場し、それぞれの作品のファンに愛され、また記憶に残る存在だったんだなと驚くとともに、うれしくもなりました」
◇ ◇
勾当台公園再整備事業について仙台市建設局百年の杜推進部公園管理課の担当者に聞いた。
ーー勾当台公園再整備事業を決定された理由をお聞かせください。
「現在の公園が整備されて30年以上が経過し、施設に老朽化が見られる他、近接する仙台市役所本庁舎の建替えが予定されていることなどもあり、本市中心部の更なる賑わいづくりや公園の価値向上等を目的として、再整備を行うこととしました」
ーー現在の野外音楽堂は取り壊されるのでしょうか?
「老朽化が進んでいることから、現状の施設を残すことは困難と考えております」
ーー現状の光景が失われることを惜しむ声が上がっていることには。
「本公園の野外音楽堂に対して多くのお声を頂いたことは、大変ありがたく感じております。現在、勾当台公園再整備基本計画の策定を進めており、その中で野外音楽堂についてもどのようにするのか検討を進めているところです」
◇ ◇
多くの人に愛されている勾当台公園音楽堂。思い入れのある方は是非この機会に仙台を訪れ、最後の姿を目に焼き付けてほしい。
fujiyamaさん関連情報
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