「一瞬で心が奪われた」日本一映える成人の日の写真が、素敵すぎると話題に「2枚の写真は2人の宝物」

竹中  友一(RinToris) 竹中 友一(RinToris)

「あれから2年。三保の女子高生は日本一映える成人の日を迎えた」

手をつないで仲睦まじげに通りを歩く、振り袖姿の女の子たち。そして、まさに未来に羽ばたこうとする若者を見守るように、バックに大きくそびえ立つ富士山――。

素晴らしい新成人の写真を撮影、Twitterに公開したのは、フォトグラファーのうちだしんのすけさん(@SinPictures)。輝かしい光景は、Twitterで大きな反響を呼びました。

もちろん、それほど素晴らしい写真であることは間違いありません。しかし、これが話題になったのには、もう一つ納得の理由がありました。写真にとある仕掛けがあったのです。

実は、うちださんは2年前にも、同じ場所で同じモデルさんたちを、同じ構図で撮影していました。今回、「奇跡的に同じシチュエーションで2人が揃った写真を撮ることが出来ました!」と、両者を並べてTwitterに投稿。

その結果、これらの写真は驚きをもって迎えられ、リプ欄にはたくさんの祝福のコメントが寄せられました。

「同じ場所で同じポーズの写真素敵ですね」
「どっちも信号青なのえもい」
「眩しい笑顔、美しい富士山、コロナ療養中に見て、なぜか一瞬で心が奪われ泣けてきました」
「それぞれ違う進路に進んでも、地元を離れても、この2枚の写真はずっとお2人の宝物になりますね」
「新成人おめでとうございます。お2人に幸多きを、祈ります」

なぜ同じ写真が撮影できたの?

奇跡的に同じ場所、同じ構図で撮ることができた写真。しかし、なぜこのようなことが実現できたのでしょう?うちださんに詳しく聞きました。

「(写真の)右側の女の子については、数年前にお姉さんの成人式前撮りをさせていただく機会があり、そこで知り合いました。左側の子はもともとの繋がりはなく、(右側のモデルの方が)一緒に写る友達として連れて来てくれた子です」(うちださん)

このような経緯から、2人をモデルに写真を撮影したのは、2021年3月のこと。撮影場所に選んだのは、富士山を臨み、三保街道とも呼ばれる静岡市清水区・三保半島の県道199号線でした。

そして、昨年秋、「右側のモデルの親御さんから改めて依頼があり、成人式前撮りをさせていただきました。その時に、『女子高生の時と同じ場所・同じ構図で撮りたいですね!』と親御さんに話をしました」

再び同じ場所で撮影することに決めたうちださん。しかし当初は、モデルは前回右側に写っていた方のみだったといいます。

「やっぱり2人揃った状態でまた撮影したいな、きっとこのチャンスを逃したら二度と撮れないだろうな」と、強く感じたうちださん。モデルの方に、「もし都合が合えば成人式の当日に二人揃った状態で撮りませんか?」と自ら打診し、今回の撮影に至ったそうです。

このように、出逢いとつながり――そして、「この写真が撮りたい」といううちださん自身の情熱が重なって、今回の撮影が実現できたのですね。

ちなみに今回は、「2年前と全く同じポーズ」の他に、「着物撮影らしい動き」のパターンも撮影。モデルの2人は、こちらの写真の方がお気に入りとのことです。

ちなみに、リプ欄のコメントでは、「前回に比べて富士山の雪の量が少ない」という指摘もありましたが、これは撮影時期の違いによるものだそうです(2年前は3月、今回の写真は1月)。

うちだしんのすけさんに、より詳しくおうかがいしました。

――今回の撮影で、こだわったポイントは?

うちださん:この写真は「着物撮影らしい動き」と「2年前と同じポーズ」の2パターン撮っています。着物らしいおしとやかな写真は割とすぐに撮れたのですが、もう一方はスマホで何度もポーズを確認しながら撮影したため、特に右側で手を広げているモデルさんは大変だったと思います。振袖を着ているのでさらにハードルが上がっている感じでした。ポーズ以外にも、信号機の色・車が通っていないタイミング・天丼屋さんの看板や道路標識とモデルさんの位置関係など、確認しなければならないポイントがたくさんあるので大変でした。連写をすることもあって、撮影数は合計で1000枚ほどになりました。

――色々なことに気を遣いながら撮影に臨んだのですね。しかし、天候など自分ではコントロールできない部分もあったのでは?

うちださん:天候ばかりは本当に運次第ですね。ただ、僕は普段から「晴れ男」を公言しているのですが、この日も強運を発揮しました。富士山の積雪量の違いについては撮影した季節が違うので仕方なかったのですが、富士山にかかってる雲はほとんど同じ形だったので奇跡が起きたと思いました!富士山にも大感謝です。

――普段は夏の写真を多く撮られているそうですね。

うちださん:季節の中で夏が一番好きなんです。入道雲や青い海、花火、お祭り、アイスクリームなど絵になりやすい風物詩が多いのも理由ですが、夏はあっという間にエネルギッシュに過ぎていき、夏の終わりになると切なくノスタルジーになる、この流れがとても気に入っています。

――今回は初春・冬の写真になりましたが、他の撮影時期と比べて、違うと感じた部分はありましたか?

うちださん:冬の写真といっても静岡はほとんど雪が降らないので、写真にあまり冬らしさを感じません(笑)。初春は卒業シーズンなので(この季節に撮影する時は必ず高校三年生を対象にしています)、別れの寂しさや未来への希望を感じながら撮影しました。

  ◇  ◇

うちだしんのすけさんは、「夏」や「田舎」、「女子高生」などをテーマに撮影をされています。

写真はTwitterやInstagramで公開しているほか、『夏色フォトグラフィー』などの写真集も絶賛販売中とのことです。

■うちだしんのすけさんのTwitterはこちら
 →https://twitter.com/SinPictures

■うちだしんのすけさんのInstagramはこちら
 →https://www.instagram.com/shinnosuke_uchida/

■出版写真集『夏色フォトグラフィー』はこちら
 →http://amzn.to/2RCsQeF

■うちだしんのすけさんの自主制作写真集の販売ページはこちら(BASE)
 →http://summer.base.shop

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