同じ市内でも4〜5日かかることも…郵便が届くのが遅い どうすれば従来通りに届くのか聞いた→それって、実質値上げでは?

どなどな探検隊(パートナー記事)

浅井 佳穂 浅井 佳穂

 「郵便物の土曜日配達がなくなってから不便を感じることが多くなったように思います」。京都新聞の双方向型報道「読者に応える」にこのような投稿が寄せられた。投稿者によると、土曜日や日曜日を挟むと京都市内でも投函(とうかん)から到着まで4、5日を要することもあるという。日本郵便に土曜日配達休止の理由やどうすれば早く送ることができるのか聞いた。

 投稿者の男性(72)=中京区=は「土曜日の配達がなくなり、先方に届いていると思った郵便が届いていなかったすることが増えてきた。郵便局に聞くと働き方改革の一環として理解を求められた」という。

 日本郵便は2021年10月以降、土曜日の配達休止や届くまでの所要日数が延びると案内している。

 特に所要日数については従来、翌日に届いて地域では翌々日に、2日後に届いていたエリアは3日後に届くことになった。また土曜日配達休止も相まって、金曜日に郵便局が引き受けた郵便は土曜日でなく月曜日、地域によっては火曜日に配達されることになった。

 では実際、京都市内での配達はどれくらいの早さなのか。11月9日(水)~11日(金)の3日間、毎日午後7時ごろに中京区のポストから下京区の自宅に封書を送ってみた。

 すると、9日夜に投函した郵便は14日(月)に到着した。消印は10日付けで、消印が押されてから5日目に届いた。

 10日夜にポストに入れた封筒も14日(月)に着いた。消印は11日で4日目だ。11日夜の分は消印が12日。4日目である15日に着いた。

 そもそも、なぜ土曜配達の休止や所要日数長期化が行われたのだろうか。日本郵便の広報に理由を聞いた。

 日本郵便広報室は、まず背景としてインターネットの普及や各種請求書のウェブ化といった変化により、郵便物数が減少しているとする。

 日本郵政が公表している統計によると、日本郵便が引き受けた郵便物などの総数は2019年度は208億通だったが、20年度196億通、21年度は191億通と減少傾向にある。

 こうした中、「週末や深夜の労働に依存する労働環境を改善し『働き方改革』を進めるとともに労働力確保に対応していく必要がある」(日本郵便広報室)というのが土曜配達休止や配達日数変更の実施理由だった。

 では、従来通りの日数で確実に届けたい場合はどうすればいいのだろう。

 「速達や書留、レターパックプラス、レターパックライト、ゆうパックなどについてはお届け日数に変更はございませんので、お急ぎの場合はご利用をお願いします」と日本郵便広報室。つまり、急ぐ場合は速達(260円~)や一般書留(435円)などの追加料金やレターパックライト(370円)などの別のサービスを利用して、ということのようだ。
 しかし、急ぐ場合は料金を付加したり、別のサービスを利用したりというのは、実質的な値上げではないのか。

 日本郵便は「郵便サービスに対するお客さまのニーズも変化しており、必ずしも送達にスピードが求められなくなっております」とし、さらに「サービスの見直しにあわせて速達料を引き下げてご利用いただきやすくするという見直しを行いました」と回答した。

 全国から苦情は寄せられていないのだろうか。
 日本郵便広報室は「『今まで通りの日数で届けてほしい』などのご意見も頂戴しておりますが、多くのご理解をいただいているものと認識しております」とした。
 1871年に日本の郵便制度がスタートしてから150年余り。日常生活に身近な郵便は時代の変化の波を大きく受けているようだ。

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