ドッグランで大怪我をさせてしまった黒ラブ ふさぎこむ毎日に飼い主「早く私の怪我のことを忘れて」

松田 義人 松田 義人

 

東京の某公園。ドッグランがあり、各地より多くのワンコと飼い主さんが訪れますが、仁(オス)という名前のラブラドール・レトリバーもそのうちの一頭でした。

ある日のこと。いつものようにドッグランではしゃぎ回る仁くんでしたが、この日はいつもよりはしゃぎたいモード全開の様子。飼い主の久美さんを遊びに誘おうとしたところ、なんと飼い主さんに激突。久美さんはその衝撃で転び、全治3ヶ月の大怪我になってしまいました。

獣医師に「沈鬱」と診断されるほどの物静かな性格

 

もともと仁くんはかなりおとなしい性格です。子犬の頃からかなりおとなしく、病院で精密検査してもらったこともあるほど。幸い身体的な病気ではなかったものの、そのカルテには仁くんの性格を指して「沈鬱」という記載がありました。

人間でも「明るい人」「物静かな人」と性格が様々であるように、ワンコもまた様々。どうも仁くんはもともと物静かな性格だったようです。

仁くんの物静かぶりは、成犬になってからもそのままで、吠えたことは飼い始めて4年間でわずか5回ほど。

しかし、小さい頃からワンコを飼ってきている久美さんは、ワンコごとのペースを最優先にしたいと、この点は特に気にせず、むしろ個性として愛情を注ぎ続けてきました。

そんな仁くんですが、唯一ものすごいハイテンションになる時間がありました。それが冒頭でも触れた週末に行く公園のドッグランでした。

ドッグランではせきを切ったかのように激しく動き回る

 普段はおとなしい仁くんですが、週末が近づいてくると、朝からソワソワし始め、その巨体を久美さんに軽くぶつけながら「早く行こっ! 早く行こっ!」と催促するほど。実際に車に乗せて公園に行く間も、鼻をピーピー鳴らし「これから思いっきり動き回るぜ!」と意気揚々の様子。

そして、公園のドッグランに着くと、せきを切ったかのように走り回り、普段の物静かな様子を想像できないほど活発に動き回ります。

写真を撮ろうとしても、仁が激しく動き回るせいでなかなか撮影できません。そのハイテンションぶりのせいで、大半がラルフ・ローレンのマークのような写真にしかならないほどです。

 

お互いがお互いを避けようとして激突

冒頭で触れた仁くんと飼い主さんの激突事件は、このドッグランで起きました。

激しく動き回る仁くんが別のワンコと追いかけっこをしていた際、立っていた久美さんを避けようとしました。久美さんによれば、そこで自分がジッとしていれば良かったものの、久美さんも走ってくる仁くんを咄嗟に避けようとしたとのこと。つまり久美さんと仁が、互いに互いを避けようとして激突してしまいました。

結果、久美さんは膝から激しく転びました。骨折には至らなかったものの半月板損傷、十字靭帯損傷という大怪我を負い、全治3ヶ月と診断されました。

飼い主の怪我を悟り、これまで以上におとなしくなった仁

久美さんは「犬は基本的に木も人も避ける。咄嗟にヘタに動いてしまった私が悪い」と、仁くんを責めるようなことはありませんでした。

しかし、久美さんに怪我を負わせてしまった仁くんはまるで「ヤベ…僕、なんかやっちゃいましたでしょうか」という感じで、今まで以上におとなしくなり、リードを引っ張ることがないばかりか、久美さんよりも前に行かずに、トボトボ後ろをついてくるようになりました。

このことで久美さんはかえって仁くんに申し訳ない気持ちになりましたが、ただし、仁くんがことさら大人しいのは平日だけ。週末のドッグランになると、我を忘れてはじゃぎまくりだそう。久美さんは、そんな痛めた膝をさすりながら「これで良いのよ、犬だから」と、にこやかに仁を見つめるのでした。

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