青森県の方言の一つである津軽弁で話す女性二人の会話がTikTokに投稿され、「まるで韓国語!」と話題になりました。動画は再生回数350万回を超え、コメント欄では「異国の姫」「津軽出身だから懐かしい!」「宮城県民でも聞き取れました」「秋田弁より難しい!」「北海道の道南だけど、ところどころわかる」と反響を呼びました。
津軽弁は標準語と異なる言い回しやイントネーションが多いため、方言の中でも特に難解とされています。東北以外の人にとってはほとんど聞き取れないため、テレビでは字幕が付けられることも多いという津軽弁。
動画の津軽弁の会話はこちら。
「コエク?」
「ア、ワイ」
「ナヘ?」
「カネ」
「ハラアンベイグネダガ」
「タゲアンベイグネジャ」
「ナンクッタアッケ?」
「イガ!」
標準語に翻訳すると、
「これ食べる?」
「私はいらないよ!」
「なんで?」
「食べないよ」
「お腹の調子悪い?」
「うん!すごくお腹の調子悪い」
「何か食べた?」
「イカ!」
こちらの動画に「標準語より短くて楽じゃない?」と題して投稿したのは、津軽出身・津軽在住のあんなさん。「津軽弁ガール」として、青森県の動画や写真、あるあるネタ、津軽弁の会話などをTikTok(@annadayooon)やInstagram(@tutu__anna)、YouTubeチャンネル「津軽弁ガール あんな@THUGARUBENGIRL」に投稿し、青森県の魅力をSNSで広めています。
あんなさんに、詳しい話を聞きました。
――あんなさんのプロフィールを教えてください。
私は青森県平川市出身、弘前市在住で、今年27才になります。おばあちゃんがりんご農家、父方の叔母さんもりんご農家、最近結婚したのですが、旦那さんのご実家もりんご農家で、ほんとに周りはりんご農家だらけです。
小学生の頃からソフトボールをしていて、高校は親元を離れ、北海道の高校に進学をしました。小中高と全国大会10回以上の出場と上位も数回入賞しています。高校卒業後は富山県の実業団に入団したのですが、ケガのためプレーができなくなり、青森県に帰ってきました。そのときは人生のどん底で、このままではダメだと色々なことに挑戦した結果、ヨガを好きになり、ヨガのインストラクターになるために東京に行きました。それから半年ほどで青森に帰り、更に経験を積んで、インストラクターとして独立しました。
―—動画であんなさんと会話している女性は、どなたですか?
親戚の”うらん”です!小さいころから、ずっと一緒に育ちました。今でも仲がよくて、よく一緒に遊んでいます。うらんはすごく面白くて、2人でよくTikTokやYouTubeを撮っています。
――青森県の方言は、津軽弁と南部弁、下北弁の3つに分かれるようですが、お互いに通じるのでしょうか?
この3つ、ほんとに方言が全然違いますし、地域によって人柄も違うんです!それぞれの方言が3つの交通安全スローガンで表されたりもしていて、語尾もイントネーションも全く違うんです。
・南部弁「んだすけよ 夜出歩ぐんだば 反射材」
→だからさ 夜出歩くなら 反射材を付けよう
・下北弁「わんつかの かもしれないを 待ってけせ」
→少しでも かもしれないの気持ちを 持ってください
・津軽弁「わんつかだはんで けねでばね んだなへそいだば まねでばな」
→少しの酒なら 問題ないだろう そうじゃないだろ それだとだめだよ
――昔よりも方言は少しずつ減ってきているような気がしますが、いかがですか?
減ってきてると思います。今の若い人達はどんどん標準語に近くなってきています。ですが、本人たちは標準語といっていますが、イントネーションは訛っています(笑)。私は普通に訛っていて、家族で話す時も友達と話す時もほとんど津軽弁です。
学校で音読する時は、標準語で読みなさいと教えられるんです。だから、県外に行ったら教科書を読むような感覚や、テレビの真似をして話します。でも、私たち津軽人は標準語で話しているつもりですが、県外の人からみると絶対に訛っています(笑)。
私は、県外に住んでいた時やヨガインストラクターになるために標準語の練習をしたのですが、ヨガインストラクターのテストのとき、内容は出来ているのに、訛っているせいで何度もやり直しを受けました(笑)。今では標準語も話せるようになり、バイリンガルです!(笑)。
――あんなさんの動画では青森愛がとても伝わってきますが、青森について教えてください。
青森は自然が豊かですし、確かに冬は降雪で寒いですが、青森県民の人柄は温かいし、とってもいいところです!新幹線も飛行機もあり、東京にも行きやすいです。ご飯も美味しいし、本当に住みやすいところです。私は色々な県に住んだり行ったりしていますが、本当に青森県が大好きです。
ただ、もっと良くなって欲しいと思うところは、青森県自体がもっとSNSの素晴らしい価値を知って欲しいです!都会はどんどんSNSに対応して、企業もインフルエンサーを活用していたり、沖縄県では県知事もTikTokを始めたりしているのに、青森県はまだまだSNSの価値に気づいていない気がします。
青森県はとってもいい所なのに、もっと良さを発信できるのに、、、といつも思っています。県自体がもっとSNSを活用して青森県の魅力を発信することができたら、若者も住みやすい街になるのでは無いでしょうか。私はSNSを通じてたくさんの素晴らしい方に出会い、たくさんの素晴らしい経験をさせていただいたので、もっと青森県の良さをSNSで伝えながら、青森県にもSNSの価値を伝えていきたいと思っています。