切り絵に見えない切り絵が話題 唯一無二の作品にSNS「頭で理解しているが、目が理解できない」 

渡辺 陽 渡辺 陽

「言っている事は分かる、頭の中でも理解している。だが、目が切り絵を切り絵として認識してくれない。これは凄い」というリプライがあったのは、切り絵作家 斉藤洋樹 -Hiroki Saito-さん(@kiriehiro)さんの作品。斉藤洋樹さんがツイッターに投稿した画像は、どう見ても写真か絵のようにしか見えません。「よくある美しい夜景」だと思いスクロールしようとしたのですが…「#大事な事なので5回言います、切り絵です、切り絵です、切り絵です、切り絵です、切り絵です」というツイートが目に入り、思わず手を止めて画像を拡大しました。

リプ欄には、
「ハイハイ、また色鉛筆で描いた写真風な絵ですか上手い上手い、と思っていたら切り絵だとは!!」
「凄いですね、凄いですね、凄いですね、凄いですね、凄いですね」
「ふぅ…って疲れた時にふと拝見したくなりますね。切り絵って心が和むのだと改めて感じました」
「切り絵に見えないので切り絵じゃないです」
などのリプライがたくさん寄せられ、「いいね」は9.2万件にもなりました。

どうするとこのような作品が作れるのか、切り絵作家の斉藤さんにお話を伺いました。

ーーなぜ切り絵作家になろうと思われたのですか。

「もともと鉛筆画や色鉛筆画をやっていたのですが、あまり自分の中でしっくり来ていなくて、そんな中出会った切り絵に、雷に打たれたような衝撃を受けました。『自分が求めていたのはこれだ!』と感じてそれ以来切り絵をやっています」

ーー写真のように見えますが、何かこだわりはありますか。

「写真との違いは特に意識していないのですが、リアルさにこだわっています。見た方が、ただ単に『リアルな作品だな』で終わるのではなく、リアルな先に何かを感じ取ってもらえるように感情を込めながら制作しています」

ーー1枚描くのにどれくらいの時間がかかりますか。

「大体1カ月〜4カ月くらいです」

ーー1人で集中して細かい作業をされるのがお好きなのでしょうか。

「凄く好きです。長いときで10時間以上制作することも珍しくありません」

ーー従来の切り絵とは印象がまったく異なりますね。

「私の場合は黒い切り絵用の紙を使っていて、着色に関しては和紙や空の部分は自分で画用紙に着色した紙を使用しています。また、白い和紙にポスターカラーなどを使用して着色して、それを切り絵の色入れに使用しています。背景の空は、グラデーションなどの表現がしやすい紙を使用して、より自分が納得いく色合いが出せるものを選んでいます」

ーー今後、どんな作品を作ってみたいと思いますか。

「誰もやったことの無いような表現をしてみたいと思っています」

まだまだこれから唯一無二の切り絵作品に挑戦するという斉藤洋樹さん。常設展はないそうですが、展示やイベント出展の時に実物を見られるそうです。

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