「え、これはヒドくない!?」日本から送った国際郵便、開封され味噌まみれに…なぜ?日本郵便に聞いた

金井 かおる 金井 かおる

 イタリア家庭料理家で現在、ボローニャ大学に留学中の「中小路葵@イタリア全20州、マンマを訪ねて3000里」さん(@ciao_AoiAurora)。先日、日本からEMS(国際スピード郵便)で日本の食品を送ってもらったのですが、箱の中身を見てショックを受けます。その理由とはーー。中小路葵さんと、国際郵便を取り扱う日本郵便に話を聞きました。

投稿者さん「いろいろ学びました」

 中小路葵さんは15日、自身のツイッターを更新。「え、これはヒドくない!?」で始まる投稿文とともに1枚の写真を公開しました。

 「え、これはヒドくない!? EMSで日本から送ってもらった食材、税関で全部開けられて、ちゃんと閉めてくれなくて、箱の中が味噌まみれになったのだけど。ひどくない!? 開けても良いけど何故ちゃんと閉めない!?」(ツイッターより引用)

 写真には段ボール箱に入った乾麺やノリ、味噌などの日本食の数々が写っているのですが、いくつかは商品のパッケージが開封され、中身がむき出しの状態。容器から漏れた味噌があちこちにこびりついています。

 投稿は現在も拡散しており、ユーザーからは「これはひどいですね」「残念ながら税関あるあるですよね」「別の国ですが同じ経験があります」など、驚きや同情の声が寄せられています。

 中小路葵さんはまいどなニュースの取材に対し、ツイッター上の反響について「たくさんの励ましの言葉やアドバイスを頂き、ありがたく思います」と感謝の気持ちを述べた上で、「他の方々のさまざまな体験談を聞いて、21世紀のグローバル化した社会でも、現実的にはまだまだ国際郵便は安心して利用できるものではないことが分かり、いろいろ学びましたし、ショックな気持ちから少し立ち直ることが出来ました」と現在の心境を明かしてくれました。

 ちなみに汚損した荷物については現在、賠償してもらえるかどうか、問い合わせの最中だそうです。

日本郵便にも話を聞きました

 日本郵便(本社、東京都千代田区)によると、EMSは「世界120以上の国や地域に30kgまでの書類やお荷物を安心、簡単、便利に送れる国際郵便で最速のサービス」。国ごとの法律や条約などにより、全世界共通や国別で輸入禁止品リストがあります。また、肉製品や野菜、果物などの絵柄が入った箱は「禁制品が入っているのでは?」と勘違いされる恐れがあるため利用できないなど、差し出しに関する細かなルールは山ほどあります。

 同社広報室に話を聞きました。

──日本から送った荷物が、送り先の国で開封される理由は。

「物品が含まれている郵便物については、あて先の国において税関検査が行われます。検査方法については、各国の関係法規等に則った上での税関職員の判断になりますが、ラベルを確認し、郵送禁止物品の疑いのあるものやラベルに記載のないもの等は、X線を通して確認したり、開封して確認するようです」

──今回のように、日本から送った郵便が汚損していたら、どこに相談すればいいのか。

「配達を担当した郵便局等にすぐに申し出てください。なお、お申し出いただく際は、お荷物の状況を内容品だけでなく、外装(封披・箱等)についても必要となりますので、保管いただきますようお願いします」

──EMSの損害賠償制度とは。

「EMSの損害賠償につきましては、差出しの際にお申し出いただいた損害要償額(お申し出がなかった場合は2万円、お申し出があった場合はお申し出の額)を上限とした実損額を差出人さまに賠償いたします」

「一般的な流れとしては、現地の郵便局に損傷等のお申し出をしていただいた際に損傷等状況を記した書類が作成され、その書類が日本側に送付されて、日本の郵便局から差出人さまに賠償手続のご連絡をさせていただきます。なお、何らかの事情で日本にその書類が送付されない場合は、差出人さまからEMSの追跡請求をご提出いただき、改めて現地で調査を行い、調査の結果損害賠償が適当であることが判明した場合は損害賠償の手続をいたします」

     ◇

 今後、日本食の入手はどうするのか尋ねると「こちらの食材店で日本食材を買うのもいいと思いますし…ややローカライズされていますが(笑)、母の味が恋しくなった頃に帰国して、一緒に食卓を囲むのを楽しみにしています」と前向きに語ってくれた中小路葵さん。

 今回は思いもよらない出来事に見舞われましたが、イタリアへの熱い思いは変わらず、「『イタリアやばい』的なリツイートも多いですが、この一件で拡大解釈しないで頂けるとうれしいです。私は50カ国旅をして、それでもイタリアが好きで、今ここにいます」とし、イタリア全20州の家庭料理を訪ねる「マンマを訪ねて3000里」にも挑戦中です。

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