「段ボールの廃材で作った伊勢海老ちゃん見て」152箇所が動くリアルな姿に「間違えて茹でそうやw」

太田 浩子 太田 浩子

「今日は10月20日はリサイクルの日♻️
段ボールの廃材で作った無着色の
152箇所可動の伊勢海老ちゃん見て欲しい」

 そんなコメントとともに、伊勢海老のお腹側の写真がツイッターに投稿されて人々を驚愕させています。体節構造が見事に再現されたダンボール製の伊勢海老は、今にも動き出しそう。そして実際に可動するように作られているので、まるで生きているように尾を跳ね上げることができるのです。ピチピチしている様子を捉えた写真も投稿されました。

「めっちゃリアリティありますね!手作りだとは思えない˚₊*̥(*⁰͈꒨⁰͈)‧˚₊*」
「初め見た時に『やけに色抜けした伊勢海老』かと思いましたよ!それにしてもリアルすぎるw」
「説明読んでなかったら本物かと思ってました」
「塗装したら間違えてゆでそうやwww」
「裏側からだと映画の『エイリアン』を思い出したよ…それだけリアル」
「Amazing‼️」
「すごいキモくてグレート‼️(☝️褒め言葉)」

 リプ欄には、多くの驚く声が寄せられています。

 伊勢海老を制作したのはダンボールアーティストの「しょうたダンボール(@6VpkrnaasTK0Yas)」さんです。会社員として働きながら、現在は帰宅後に毎日2時間程度、ダンボールアートの制作をしているそう。こちらの伊勢海老は、2019年の大晦日から作りはじめ、ほかの3作品も同時進行で進めながら、冬休み中は1日6時間、そのあとも3時間作業して2020年2月10日に完成したと言います。しょうたダンボールさんに、作品について詳しく聞きました。

──152箇所可動ってすごいです。やはり動くことにこだわられて作られているのですか?

 作品が動くところが多いほど、興味のない方にも楽しんでもらえる気がするのと、1番は生態や防御方法などを解説するために動く作品が多いです! たとえば伊勢海老は、ハサミが無い分長く硬い触角が武器で、根元の棘を刺そうとしたり手を近づけると2本の触覚で挟み込んできます。

──触角で挟み込んでくるとは知りませんでした。

 触覚の棘で刺そうとするのは、飼ってみて初めて知りました。今年念願だった伊勢海老を飼うことが出来たんです! 3週間ほどで亡くなってしまいましたが…。

──伊勢海老を飼うのは難しそうですね。ダンボールで伊勢海老を作られているときは、どんなところが難しく感じられましたか?

 難しかった所は沢山あるんですが、色選びにはかなり悩みました。最初は初代と同じ茶色のダンボールだけで作るつもりでしたが、本体が出来た時、物足りなくなってしまい白いレアな段ボールと焦げ茶のお肉用の段ボールなど、様々な色を使用し色彩を表現してみました。

──白っぽい模様みたいなものも再現されているのですね。今回の伊勢海老は、三代目ということですが、今までよりも時間をかけて作られたのですか?

 初代は4時間、二代目は2週間かけて製作しました。三代目の1番の特徴は、腹がマグネットで取れる事と、顎と顎足12本がフル可動する所です。

──すごい…かかった時間も全く違いますね。伊勢海老をそこまで再現する理由は?

 伊勢海老が好きで、子供の時から誕生日プレゼントは伊勢海老です(笑)。

──誕生日プレゼントが伊勢海老!

 最初に買ってもらったのは小学5年生の時で、誕生日プレゼントに毎回買ってもらうようになったのは高校生からです。

 鎧のように硬い体、見た目、食として人々に親しまれてるためか、昆虫よりも気持ち悪いと言われないので、生き物の中では一番好きです。それでも、気持ち悪いと言われるのが怖くて、三代目伊勢海老を作るまで作品はデフォルメで作ってました。

──段ボールアートはいつから作るようになったのですか?

 ダンボールアートを始めたキッカケは、高校2年生の時に親友が学校で2回目のクイズ大会を企画して友達を呼び込むための景品として、戦車と戦闘機二機をその日のうちに作ったところ、先生や友達が喜んでくれたので、もっとこの笑顔見たいと思ったからです。

──まず設計図を作るのですか?

 車のカバンなどはイメージ図を作るんですが、基本生き物は左右非対称にする為、設計図は書かずいきなりハサミを入れます。

──何もないところから伊勢海老は生まれるのですね! 次はどんなものを作ろうと?

 コロコロ気持ちが変わるので完成するか分からないんですが、今は風の谷のナウシカに出てくる王蟲のカバンか、まだ作ったことのない蛇を作ってみたいです!!

 第18回江田島市美術展で優秀賞を受賞したしょうたダンボールさんの作品「カブトガニ」が、11月3日から11月6日まで「わくわくセンター」(広島県江田島市)に展示されます。

■しょうたダンボールさんプロフィール
1999年生まれ。主にダンボールを素材とする立体作品を数多く制作。
実際に着用できるコスチュームや、精密なメカ、昆虫などの生き物を得意とする。2017年から、個展やグループ展を多数開催。詳細はTwitterまたはInstagramで。

■しょうたダンボールさん(Twitter) https://twitter.com/6VpkrnaasTK0Yas

■しょうたダンボールさん(インスタグラム)https://www.instagram.com/brownknightman28/

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