コロナ禍によって手洗いの重要度が広く知られるところとなりましたが、外出せずに自宅だけで過ごした場合も手洗いの重要度は変わらないのでしょうか。ライオン株式会社が「自宅で過ごす時と屋外で遊んだ後の手の菌量」を調査した結果、「自宅で4時間過ごした後の手の菌量」は「公園の遊具で2時間遊んだ後の手の菌量」と同程度であることが分かったそうです。
同社が2021年10月に実施した「コロナ禍での手洗い実態調査」によると、コロナ禍で手洗い意識が高まっていても、自宅にいる場合は、食事の前などにハンドソープで手を洗う人が少ないことが分かったといいます。
そこで、「家の中で過ごしていれば、手が菌などで汚れにくいのか」を調べるため、「(1)帰宅直後に市販のハンドソープで手洗いした後、4時間自宅におり、テレビを観たり、おやつを食べたりして過ごす場合」と、「(2)公園の遊具で2時間遊んで帰宅した場合」のそれぞれで「寒天培地(X-GAL 寒天培地、日水製薬株式会社製)」に手のひらを押し当て、その後30℃で24時間培養して比較したところ、「菌の付着量は同程度」であることが分かったといいます。
次に、「手洗い後の抗菌・抗ウイルス効果の持続性」を調べるために、市販のハンドソープに配合されている2種の成分「(1)石けん系成分であるラウリン酸等の脂肪酸」と「(2)ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸塩(POEラウリルエーテル硫酸塩)」で「手を洗った場合」と「水道水のみで手を洗った場合」とで、1時間当たり4回ドアノブを握ったときの手の菌・ウイルス量を評価した結果、ハンドソープ成分を使用した方が手洗い30分後の比較で、抗菌・抗ウイルス効果が判明。さらに、市販のハンドソープ成分の中でも、「(1)石けん系成分であるラウリン酸等の脂肪酸」で手を洗った場合、1時間程度効果が持続することも分かったといいます。
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調査を実施した同社は「家で過ごすだけでも、菌やウイルスが手に付着することがあります。また、せっかく手を洗っても、水洗いでは、感染対策としては不十分です。つい水洗いしがちなトイレ後や飲食前、また定期的にハンドソープで手洗いすることが大切です」と述べています。