信号機のない横断歩道で歩行者が渡ろうとしている場面でも、約6割の車が止まらない―。一般社団法人日本自動車連盟(JAF)が実施した「信号機のない横断歩道における歩行者優先についての実態調査」の調査結果によると、信号機が設置されていない横断歩道を、歩行者が渡ろうとしている場面で一時停止した車は約4割だったそうです。
同調査は各都道府県2カ所ずつ(全国合計94カ所)の信号機が設置されていない横断歩道で、2022年8月の月曜日から金曜日の10時~16時の間に通過する車両(7540台)を調査したといいます。
同調査によると、信号機が設置されていない横断歩道を歩行者が渡ろうとしている場面で一時停止した車は「3003台」(39.8%)で、過去最高を記録しました。
一時停止する車の数は2016年調査時より毎年増加傾向にあり、2021年調査時の30.6%より9.2ポイント増加しているものの、いまだに約6割のクルマが止まらない状況であることが分かったそうです。
なお、同調査で最も停止率が低かった沖縄県でも停止率は20%を超え、 2019年の調査の平均停止率(17.1%)よりも高い結果となっていたといいます。
また、停止率を都道府県別にみると、一時停止する車の割合が低い順に、「沖縄県」(20.9%)、「和歌山県」(22.5%)、「京都府」(23.5%)、「佐賀県」(25.1%)、「北海道」(25.2%)と続いた一方で、一時停止するクルマの割合が高かったのは、「長野県」(82.9%)、「兵庫県」(64.7%)、「山梨県」(64.6%)、「静岡県」(60.8%)、「熊本県」(57.3%)だったそうです。
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横断歩道での交通ルールについて同連盟は「交通ルールでは、『横断歩道における歩行者優先』を定めています。本来、車両が横断歩道を通過するとき、横断しようとする歩行者がいる場合には、横断歩道の直前で一時停止し、通行の妨げをしないようにしなければなりません。また、横断しようとする歩行者がいないことが明らかな場合を除き、横断歩道の手前で停止できるようあらかじめ速度を落とすこともドライバーの責務です」と説明する一方で、「歩行者側も、横断歩道を渡る時はドライバーにその意思を伝えたり、無理な横断をしないよう心掛けたりと、お互いの安全を意識することが大切です」と述べています。
また、「前方を走行する車両が横断歩道で一時停止している場合、歩行者の横断を優先している可能性があります。交通ルールでも、横断歩道の手前30m以内では前方の車両を追い越し・追い抜きしてはいけないと定められています。横断歩道の手前には道路標識や道路標示がありますので注意して運転しましょう」とも述べています。