触ろうとすると硬直する繁殖引退犬のマルチーズ 愛情を注ぎ続けること半年、ついに心を開いた

松田 義人 松田 義人

15年間、あいちゃんというコーギー犬と一緒に過ごしていた里親さん。あいちゃんが老衰で旅立ってから、改めてワンコを飼いたいと思って探したところ、たまたま保護犬施設にいた推定2〜3歳のマルチーズ(メス)の繁殖引退犬のある保護犬と出会いました。保護犬は、譲ってもらえるための条件が厳しいため、里親さんは当初諦めつつも申し出ると、運良く譲渡の許可がおり、このマルチーズのワンコを家に迎えることができました。

ワンコを「まるちゃん」と名付け、一緒に幸せな時間を過ごそうとしましたが、お家につくなり、まるちゃんの様子がおかしいことに気づきます。

まるちゃんに触ろうとするとビビリのあまり硬直…

 

まるちゃん用に準備していたペットシートの上でキョロキョロ、ウロウロ。とにかく落ち着かない様子で、触ろうとすると、そのままガチッと硬直して動かなくなってしまいます。しかし、保護犬の多くが最初は慣れずにビビってしまうことや、もともとのまるちゃんの穏やかな性格もあるでしょうし、何より里親さんは難しいコミュニケーション自体もまるちゃんと一緒に乗り越えていきたいと、さして問題とは思いませんでした。

里親さんはまるちゃんに心を開いてもらうため、友人の別邸、キャンプ場など色んな場所に積極的に連れていき、新しいものに触れる機会をたくさん作りました。

そんな里親さんの愛情がまるちゃんに伝わり、半年くらい経過した頃から、見違えるようにまるちゃんが心を開くようになりました。

里親さんが洋服を着替えて出かけようとすれば「一緒についてくー!」と喜び、抱っこすれば嬉しそうな表情を見せてくれるようになりました。

心を開いてくれたことに喜ぶ里親さんでしたが、そんなまるちゃんも唯一静かに抵抗することがありました。それは大好きなソファで寝ている際に、他の場所に動かそうとしたとき。体に力を入れて、小さな声でウーッと怒ることがあります。里親さんにとってみれば、この怒る仕草も自体もかわいくて、不思議と嬉しい瞬間だと言います。

極感の中ボロボロの状態で捨てられていたりさちゃん

 

里親さんの家にまるちゃんが来てから3年ほど経った日、まるちゃんの妹分として、元保護犬のトイプードル、りさちゃんも家族として迎えることにしました。

りさちゃんは極寒の中、ボロボロの状態で捨てられたプードル5頭のうちの1頭でした。迎え入れた当初は真っ直ぐ歩くこともできず、里親さんの目が回るくらい何度も同じ場所をグルグル回っていました。これは、狭いケージに閉じ込められていた犬によく見られる行動だそうで、里親さんは胸が痛くなる思いがしたと言います。

しかし、りさちゃんが次第に里親さんに慣れると、今度はまるちゃんに甘え始めるようになりました。まるちゃんに対して、「遊ぼう、遊ぼう」とテンション高めにアピールするりさちゃんでしたが、まるちゃんはそもそもマイペースのおっとりさん。ハイテンションのワンコはちょっと苦手の様子でした。

しかし、まるちゃん、りさちゃん一緒に散歩に出かけたり、大好きな『カフェ コパン(大阪府四條畷市)』というドッグカフェに通ううちに、2頭は次第に本当の姉妹のように仲良くなっていきます

激しい雨の中でも2頭一緒に爆睡するように!

りさちゃんも、まるちゃんに負けず劣らずの甘えん坊となり、里親さんを毎朝チューで起こすほどに。それを見たまるちゃんは嫉妬することもなく、やっぱり穏やかにニコニコ。当初こそあれだけビビっていたものの、今ではすっかり心優しいお姉さんになりました。

お出かけが大好きな里親さんは、まるちゃんをりさちゃんをさらにあちこちに連れていき、同じ時間をワンコ2頭と共有するようになりましたが、ある旅行先で、夜中に激しい雨が降ってきたことがありました。

まるちゃんもりさちゃんも、保護当時の状況なら、怖くて仕方がないはずだったろうと思いますが、2頭とも全く動じることなく、テントの中で体を寄せ合いながら爆睡していたこともありました。

まるちゃんとりさちゃんは、お互いに信頼しあい、まさに「ニコイチ」として今日も里親さんと一緒に生活しています。これからも2頭仲良く、本当に「姉妹」として、ずっと楽しくて幸せな日を過ごしてほしいなと願う里親さんでした。

元保護犬 マルチーズとトイプードルの記録♪ http://blog.livedoor.jp/bebeyan777/ 

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