大阪万博「昭和45年」の味…プリンの女王とリーガロイヤルホテルがコラボし、復活した昭和レトロなプリン

八木 純子 八木 純子

 プリンブームが続く中、昭和レトロな固めのプリン人気が高まっている。リーガロイヤルホテル(大阪市北区中之島)のレストラン「オールデイダイニング リモネ」では「プリンの女王」こと磯貝由起さんとコラボし「思い出の昭和45年プリン」を9月23日から11月30日まで提供する。果たして、どんな味なのか。

大阪万博の年に食べられていたプリンを復活?

 磯貝さんは、1万個以上のプリンを味わい「プリンの女王」と呼ばれるスイーツコンシェルジュ。ブログ「YukiのSweets Diary」で関西のスイーツ情報を発信してきた。

 今回のコラボのきっかけは磯貝さんの幼い頃の体験がいかされている。「ホテルの方になぜ、そこまでプリンが好きになったのかを聞かれ、子どもの頃に食べていた母親の手作りプリンは固くて、気泡があって、カラメルがビターで、とにかくおいしい。そこからプリン好きになりました、と話したことからでした」

 ところが、母のプリンが食べられなくなる出来事があったという。

 「母が70代で認知症を発症し、記憶力も味覚もなくなり、料理が作れなくなっていたんです。そんなとき、10年前のある番組で母の手作りプリンを再現する企画が持ち上がりました。当初、母は出演を嫌がっていましたが、いざ収録が始まると、プリンを作る過程で、いろいろなことを思い出してきたのか、プリンを作り上げることでき、奇跡のように母の認知症も改善しました」

 この話に感動したホテルの担当者が磯貝さんと話し合い、当時の手作りプリンを再現。今回、販売することになったのだという。

 「昭和45年プリン」というネーミングは磯貝さんが味わった幼少時代がちょうど昭和世代がわくわくした「日本万国博覧会(大阪万博)」の年に近いこと。そこに「オールダイニング リモネ」の成田哲也シェフが昭和45(1970)年生まれという偶然も重なり、決定したそうだ。

 全卵や砂糖、牛乳、バニラエッセンスのみで、他の食材は使わない、昔ながらのプリンのレシピは磯貝さんが、ホテルに提供。それをもとに成田シェフが再現した。異なる食感を楽しめるようにと、表面は固めに、中はなめらかに、絶妙な焼き加減で仕上げているのが特徴だ。

 気泡をわざと作ってもいる。砂糖だけで仕上げたビターなカラメルソースとのハーモニーも抜群で、当時を知る世代には懐かしい味がする。反対に、いまの若者には新鮮な味に感じるかもしれない。バニラアイスクリームが別添えされていて、価格は900円(税サ込)となっている。

ティラミスを加えた大人のプリンメニューも登場!

 「思い出の昭和45年プリン」に加え、これをアレンジした成田シェフ考案の「プリンと栗のティラミス ラム酒で香りを付けたマロンエトフェ」(1,600円、税サ込)もお勧めだ。昭和に大ブームとなったティラミスとプリンを組み合わせているのが斬新で面白い。ちなみに、マロンエトフェとは、蒸し栗の意味だそうだ。

 「昔ながらのプリンに細かく砕いた栗がアクセントのマロンアイスや、ラム酒シロップ煮をたっぷりもみこんだマロンエトフェを添えています。大人なデザートに仕上がっていると思います」と成田シェフ。プラス300円でラム酒が追加でき、ラム酒が加われば芳醇さが増し、さらに大人の味になる。

 実際に食した女性は「今流行の柔らかなプリンも嫌いではないですが、今回のプリンは昭和時代を思い出させてくれ、当時の懐かしくてシンプルなプリン本来の味がよみがえってきて、また、食べたくなる味でした」と話していた。

 2025年には再び関西・大阪万博が開かれる予定だ。「思い出の昭和45年プリン」を通して、昭和時代にタイムトリップしてみるのも悪くない。

◇「プリンの女王」磯貝由起氏×「オールデイダイニング リモネ」シェフ成田哲也氏コラボレーション企画「思い出の昭和45年プリン」

期間=9月23日(金・祝)~11月30日(水)11:00~21:30(ラストオーダー21:00)
実施店舗=「オールデイダイニング リモネ」大阪市北区中之島 5-3-68リーガロイヤルホテル1階
TEL.06-6441-1056(直通)

https://www.rihga.co.jp/osaka/restaurant/fair_list/pudding

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