「HUNTER×HUNTER」37巻発売 ボロボロ道着のファン「一喜一憂せず」祈りこめ正拳突き2年8カ月 作者の状況に心を痛め

伊藤 大介 伊藤 大介

漫画「HUNTER×HUNTER(ハンターハンター)」37巻(528円)が11月4日に発売されることが決まり、ファンから喜びの声が上がっています。休載するハンターハンターの再開を願い、1日千回の正拳突きで連載再開を祈願してきたユーチュバーの樽江突撃さんは、2年8カ月の修行の結果、足腰に慢性的な痛みを抱えるようになりました。4年ぶりの最新巻発売にも「喜んだり悲しんだりすると(正拳突きの)モチベーションに影響するので、意識しないようにしています」と静かに語ります。修行僧のように正拳突きに打ち込む樽江さんに聞きました。

腰が油の切れた機械のように

ハンターハンターは1998年に「週刊少年ジャンプ」で連載が始まり、高度な心理戦を交えたバトルや、深みのあるストーリーが国内外で人気を博してきました。作者の冨樫義博さんが椅子に座れず、トイレでお尻をふくことができないほどの腰痛に苦しみ、2018年11月から4年近く、長期休載が続いています。樽江さんは休載の度に「冨樫仕事しろ」などとネット上で作者の冨樫さんが非難される状況に心を痛め、2020年1月から正拳突きを始めたといいます。

ーー9月20日、集英社から37巻発売が発表されました。

「冨樫先生がTwitterで『単行本用の修正指示作成完了』『単行本作業見開き一枚除いて完了』などと単行本作業を報告されていたので、『いつか(発表が)来るだろうなと思っていました。うれしいというより、ほっとした気持ちです。私のYouTubeやTwitterにも『おめでとう』『おつかれさま』とコメントしてくださった方もいて、本当は先生におっしゃってくださった方がいいのかなと思うんですが…」

ーー単行本では、ジャンプ掲載時からどのような加筆修正に期待しますか。

「冨樫先生が描きたいように描いてくださったらと思います」

ーー毎日千回の正拳突きで、足腰を痛めたと聞きました。

「いやー腰はひどいですね。千回はまだいいんですが、節目に10時間くらいかけて1万回すると、立っているだけで脚はつり、腰は油が切れた機械みたいにギッシギッシと痛みます。マッサージを受けたりしたんですが、毎日正拳突きを続けているので治らなかったですね。正拳突きをやめたら、じっくり治します」

ーー最新巻発売となれば、次は連載再開です。

「最新巻発売に合わせた11月の連載再開を予想する声もありますが、私は意識しないようにしています。喜んだり悲しんだりすると、正拳突きのモチベーションに影響するので。毎日続けることに集中しているので、心を波立たせるようなこと(予想)はしたくないんです」

「正拳突きをしている時は特殊な時間です。瞑想(めいそう)といったら大げさだけど、『今日は疲れたな』『やりたくないな』と思っていても、始めると心を落ち着かせることができます」

◇  ◇

正拳突きを始めて2年8カ月。30代後半の会社員の身体には疲労が蓄積しています。果たして連載再開まで修行を続けられるのか。「ギリギリの状態で続けている。(連載再開まで正拳突きを行えるのか)約束はできない」と本音を明かします。それでも、自身のYouTubeやTwitterに書き込まれるコメントが励みになっているといい、「期待してくれている人もいる。頑張りたい」と決意をにじませました。

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