京都・丹波でひそかな人気「鹿シチュー」が美味! 6時間を費やすとろける味わい、売り切れ御免

京都新聞社 京都新聞社

 京都府南丹市園部町天引に移住した女性が、シカ肉を使ったシチューを売り出し、口コミで人気を高めつつある。じっくり手間を掛けて煮込んだ味わいが好評で、女性は「天引を訪れる人を増やし、村おこしにつなげられたら」と笑顔を見せる。

 女性は2020年12月に京都市南区から移り住んだ奥村さつきさん(56)。調理師免許を持ち、介護施設で長く調理を担った経験を地域のために生かせないかと考えたという。

 「(自然豊かな)天引らしい」という理由で、シカに着目した。天引に近い兵庫県丹波篠山市の猟師が捕獲したシカの肉を使用。下ごしらえに4時間、味付けに2時間、計6時間を費やすシカ肉は、ほろりととろけるよう。何度も食べている地元の原田久さん(70)は「柔らかくておいしい。取り組みも面白い」と話す。

 店は、国道372号に面した天引八幡神社周辺に構える。一緒に移住したパートナーが手作りした高さ約2メートルの看板に「鹿シチュー」と大書してアピールし、道行くドライバーらが引き返して購入していくことも少なくないという。天引のコメを使ったおにぎりや、地元野菜を生かした揚げ浸しなどの総菜も扱っている。

 草刈りや炭焼きに汗を流し、「元からいた人みたい」といわれるほど天引になじんでいる奥村さんは「鹿シチューをきっかけに、天引の良さや見どころを知ってほしい。第2、4日曜に開く『天引むくむく市』に来る人も増やしたい」と語る。

 鹿シチューの販売は毎週水曜と、第1、3、5週の日曜の、いずれも午前10時30分ごろ~午後2時ごろで、売り切れ次第終了。

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