高校で必修の「総合的な探究の時間」 教員の5割が「生徒の質問に答える時間や人脈がない」

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株式会社トモノカイは、國學院大人間開発学部の田村学教授と共同で実施した「総合的な探究の時間の指導」についての実態調査の結果を発表しました。同調査によると、2022年度から高等学校で必修となった、教科や科目の枠を越えた横断的・総合的な学びの時間である「総合的な探究の時間(探究)」の指導での課題として、約5割の教員が「生徒からの質問に答える時間や人脈がない」と回答したそうです。

「探求」とは、生徒が主体的に学習テーマを設定し、情報収集や分析をしてまとめるプロセスの中で、実社会で活用できる能力を育成する時間のこと。もともとは「総合的な学習の時間」という名称でしたが、学習指導要領の改訂で「総合的な探究の時間(探究)」に名称が変わりました。調査は2022年7月に実施され、全国の高等学校の教員・男女360人(うち「探究」の指導経験があるのは301人)に聞きました。

はじめに、「『探究』を教えていて感じる課題」を聞いたところ、「生徒からの質問に答えるために情報を調べる時間がない」(23%)が最多に。次いで、「生徒からの質問に答えるために大学の研究室などに問い合わせるネットワークがない」(22%)、「生徒からの質問に答える方法がわからない」(5%)と続き、上位の回答を合わせると、教員だけで生徒の質問に答えることに負担を感じる教員が半数に上ることが判明しました。

続いて、「『探究』を教えていて感じた課題をどのように解決しようとしていますか」と聞いたところ、43%の人が「教員同士で指導法を検討」と回答。また、「指導法をレクチャーするセミナーに参加」は22%いたものの、「塾や指導の専門機関を学校に招き勉強」は4%に留まっており、専門家などに指導のアドバイスを求めながらも学校の中でのサポートは限られていることもわかったそうです。

最後に、「学校の通常の授業以外で生徒の探究学習をサポートするとしたら、どのようなことに取り組みたいですか」と聞いたところ、「放課後の教室で学生が生徒の学習をサポートする」が34%で最も多く、「放課後の教室で教員が生徒に補習指導を行う」(31%)を上回ったほか、「探究の副教材を生徒に配布する」も15%で、教員が指導する以外の方法を希望する教員が多いことがうかがえたといいます。

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同調査を共同で行った國學院大學の田村教授は、「確かな探究の実現のためには、学校だけで対応しようとするのではなく、地域社会や企業、大学などとの連携を積極的に行い、『社会に開かれた教育課程』を実現しようとする姿勢が重要になるのではないかと思います」と述べています。

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